どこでもドアが欲しかった

家に遠い親戚の親子が来ていた→世間話をして帰ったあと、母が「ごめんなさい…」→なんと…

time 2016/11/28

家に遠い親戚の親子が来ていた→世間話をして帰ったあと、母が「ごめんなさい…」→なんと…

私も田舎の出身で、小さなコミュニティの中でノンビリとお馬鹿に育ってた。
その頃の話なんだが。

高校時代の夏休み、部活から帰ってくると、お客さんが来ていた。
60代くらいの上品そうな女性と、40代くらいの大柄で無口な男性だった。

母が、本家筋の遠い親戚である親子だと紹介した。
「ははあ、お盆さんが近いから何かそんな関係で来たのかな」
と思った。
付き合いのない親戚のせいか、母は硬い顔をしていた。

女性は
「部活だったの?」
「何をやってるの?」
と笑顔で聞いてきたので、馬鹿の私は
「テニスをやってます。すっごく楽しいです。去年は県大会で・・・」
とかベラベラ喋った。

女性が
「好きな人とかはいるの?」
と訊くと、もう恋バナは女子高生の人生の糧とばかりに、もっとテンション上げてベラベラ喋った。
「県大会で会った、○○高校の○○君はすっごいテニス上手くて、でも全然感じも良い人でー」
とか。

「年上の男性はどう?好き?」
と訊かれ、
「いやーー!!2歳上まではありですけど、それ以上はちょっとまだまだ!!やっぱり人生経験値全然違うじゃないですか!大学出たり、社会人として働いてたり、自活したりとか色々してる人とかってやっぱりもう私とは考え違うはずですよね~人として精神の成熟が全然違うじゃないですか!!そんな人、むこうも私になんて考え合わせられないだろうし、私ももう全然出来ないし!!やっぱり歳の近い人と、人生の色々な経験を一緒に積んで~一緒に成長していくってのがいいかな~って、あっ○○君のこと言ってるんじゃないですよ!彼はもう人気者なんで無理無理!!!あっでも来週、合同練習で~」
とか話してたら、向こうが
「じゃあそろそろ」
なんて帰って行った。

玄関で2人を見送った後、母親が急に私を抱いて被さってきて
「ごめんなさいごめんなさい」
と言った。

その驚きの理由とは…

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