どこでもドアが欲しかった

会社に馴染めなかった私は、お昼を食べている公園で優しそうなお姉さんと知り合いになった→しかし…

time 2016/11/24

会社に馴染めなかった私は、お昼を食べている公園で優しそうなお姉さんと知り合いになった→しかし…

子供の頃父親から軽く虐待(セクハラ含む)を受けていた私は 
高校を卒業して家から遠く離れた寮のある会社に就職しました。 
寮と言っても、独身寮は男性ばかりなので、 
私は家族寮を一人で使わせてもらっていました。 

その会社には大きな工場があって、高卒の私は本社の事務所ではなく、 
工場の中にいくつかある、現場事務所のうちの1つに配属になりました。 
現場事務所とは、工場で働いてる人が事務の仕事をする時に使う部屋で、 
自分の机があるのは、私とパートのおばちゃんと係長の3人でした。

工場のラインを止めるのは長期休暇の時だけで、普段の休みはその3人で交替でとっていました。

私は父親と同じ年代に見える係長(ハゲてるだけで実は若かったけど)
が苦手でした。
おばちゃんは良くも悪くも真面目な人で、仕事中はほとんどしゃべらない人でした。
用もないのに新入社員の私を品定めに来る工場の若い男の人たちも嫌で嫌で仕方ありませんでした。

工場の社員食堂は当然男の人たちでいっぱいで、私はお弁当を作って一人で近くの公園で食べるようになりました。
その公園は、工場の一番端っこにある現場事務所からは近かったけど、本社からはかなり離れていたので、会社の人に会う事はありませんでした。

小さな公園だったので、大抵私一人でしたが、たまに綺麗なお姉さんがお弁当を食べてる事がありました。
時々、彼氏らしき男の人と二人で来る事もありました。

私がいつも座るベンチは屋根がついていたので、雨の日も公園でお弁当を食べていました。
でも、ある雨の日、そのベンチに綺麗なお姉さんが座っていました。
お姉さんは私を見つけると手招きしてきました。


「朝は晴れてたからお弁当作ったんだけど、雨になっちゃって。
屋根の付いてるベンチはここだけだから、一緒に食べない?」
私専用のベンチと言う訳でもないし、とても感じの良い人だったので
一緒にお弁当を食べました。

お姉さんは近くのマンションに住んでいて、
イラストレーターをしていると言いました。
時々一緒に来る男の人は弟だとも言っていました。
とても綺麗で優しくて、いろんな話題を持ってる人でした。

それからはほとんど毎日お姉さんと一緒にお弁当を食べました。
知らない土地で、会社でもいつも一人で、
帰っても広い家族寮にたった一人で、
お姉さんと過ごす時間は私にとってとても大切な時間でした。

ある日お姉さんが「休みの日にマンションに遊びに来ない?」
と誘ってくれました。
私はもちろん喜んでOKしました。

当日、いつもの公園でお姉さんと待ち合わせしました。
そしておねえさんの住むマンションへ。
そこは本当に公園のすぐ近くでした。

部屋に入ると、ダイニングキッチンを素通りして、
大きなソファのある部屋に通され、
「お茶を入れるから待っててね。」
と言ってお姉さんは部屋を出て行きました。

その後…

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