私は初対面なので最初は誰なのか分からなかったのですが、
義母に突然つかみかかられ
「お前がたぶらかしたのか、お前が殺したのか」
と罵声を浴びせられました。
何が起こったのか分からず呆然としていると、
今度は義父に跳び蹴りされ喪服と髪の毛を掴んで引きずられました。
子ども達は火がついたように泣き叫び、私はとっさに子どもをトイレに入れて、
その前に立ちはだかろうとしましたが、
目をぎらつかせた義両親に
「男の子をよこせ」
「遺産と保険金を出せ」
とめちゃくちゃに殴る蹴るされました。
トイレのドアを無理やり開かれ息子の腕を掴まれて
もう駄目だと思った時、騒ぎに気付いた義妹が駆け付けてくれました。
義妹は片手に置き時計(引き出物でとても重い)、片手に花瓶(玄関にあった)を持ち
義両親に向かって雄叫びを上げながら振り回しました。
後で分かったことですが、その攻撃で義父は歯が3本と鼻が折れたそうです。
「親不孝者」と罵られた義妹は
「お姉ちゃん(義妹は私をこう呼んでいました)たちに手を出すなら殺す、必ず殺す」
と怒鳴り返しました。
そこに近所の方の通報で警察が駆け付け私たちは難を逃れました。
私はまぶたと唇が切れろっ骨が折れていたのと、
近所の方の証言で先に義両親が手を出していたこと、
子どもを連れ去ろうとしていたことがはっきりしたので、
幸い義妹の行為が問題になることはありませんでした。
しかし、義両親の方も義父に前科がついたものの刑務所に入ることはなかったので、
すぐに引っ越してしばらくは義妹と同居しました。
子どもたちはすっかり怯えきってしばらくは夜泣きやおねしょが続きました。
その後の義両親の動向が不安だったので、義妹が知人のつてを使って調べたところ、
夫の遺産や私の息子を取り返す(?)と息巻いて訴訟を起こそうとするも
弁護士に相手にされず断念したようです。
夫の祖父母が亡くなり家業がかなり傾いていたらしいです。
その後、家業が完全に駄目になった際はまた押しかけてくるのではと警戒しましたが、
結局義両親に会ったのはあの1度きりでした。
あの時体を張って私たちを守ってくれた義妹の姿は忘れられません。
義父に殴られて育った義妹がその前に立ちはだかるのはどれだけ勇気がいったことか。
この春には下の娘が大学を卒業して義妹と同じ仕事に就くので、
久しぶりに思い出して書いてみたらものすごい長さになってしまいました。