祖父がこういった行為に走った経緯を手紙から推察。
有名な作家の書生をやってたらしいけど才能ないと言われて、小説家に踏ん切りをつけて、老舗料亭の板前として働きだす。
当時16。
祖母はそこのおじょうさん。
若手の板前を捕まえて婿養子にするってパターンが結構あるらしく、祖父も外堀を埋められてハマった口で祖母と24歳の時に結婚した。
若旦那って言うポジションとは裏腹に、老舗料亭に養子縁組ってのは自由もないし、結構辛い想いをしたことは手紙からも読み取れる。
祖母は祖母で、そんな計略的な婚約のことは全く知らなくて、恋愛した上での結婚だと思っていて、それが申し訳なくて裏切ることも出来なかった、らしい。
祖母は何て言うか可愛らしい人で、孫である自分が祖母の着替えてる場面に出くわすと恥ずかしがったり、祖父との昔の思い出を嬉しそうに語ったりと、どこか幼くて天真爛漫で純粋な人だった。
だから、裏切られたと言う気持ちも大きかったんだと思う。
因みに祖父は急死だったから手紙の処分も出来なかったと思われる。
実際には、手紙にひっそりとしたためる以外のことはしていない。
今みたいに自由な恋愛など難しかった可能性が高い時代だよ。
初恋の人・・・・・かどうかは分からないけど、
それほど忘れられない女性がいたというのは否定されるべきものではないと思う。
どんなに忘れろと言われても忘れられないもんだよ。
普通は、面倒なこともあってw文字にするなんてことせず、
心の中で想い続けるってパターンになることが多いだろう。
そういう人は少なくないだろうし、浮気とは別物じゃないかと思うんだけどなあ。
小説家を目指していたくらい「書く」ということが苦でなく生活の一部だったということも
影響してるだろうなあ。