どこでもドアが欲しかった

JK時代893の事務所に出入りしていた。ある日、いつものように事務所のドアを開けると…

time 2016/11/30

JK時代893の事務所に出入りしていた。ある日、いつものように事務所のドアを開けると…

高校生の頃、中学の頃のやんちゃな先輩のツテで、893の事務所に出入りしてた。 
っていっても、ただジュースやおやつをご馳走になったり、喋ったり勉強教えてもらって帰るだけで、変な薬や商売を勧められることも無かったし、何一つ危ない目に遭わなかった。 

最初先輩に連れられて事務所に行った時は、とにかく怖くて
「もう人生終わった」
とまで思うぐらいびびってたけど、
いつしか自分から先輩を誘って行ったり、先輩の都合がつかない時は自分から遊びに行ったりしてた。 

ジュースやお菓子に囲まれて5~6人でボードゲームやトランプをしたり、大学卒の組員のお兄さんに勉強を教えてもらったり、悩みを聞いてもらったり、本当に居心地良かった。 

でも、高校3年に差し掛かった時に、いつものように事務所のドアを開けたら、今まで優しかったおじちゃんやお兄さん達が一斉に私を睨みつけて


「ここをどこだと思ってるんだ!帰れ!」
って怒鳴られつまみ出された。 

泣きながら
「なんで?なんで?」
って訊いても

「いいから二度と来るな!」
の一点張りだったんだけど、
ドアの前でしゃがみ込んで泣いてたら、ドアの向こうから震える声で
「幸せになれよ」
って聞こえてきた。 

それから数ヶ月して…

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