小学生の時100円おばさんが恐れられていた。
100円おばさんは黒のワンピースに真っ赤な口紅、茶色の貞子みたいな髪で
「100円ちょうだい」
と言って迫り、あげるまで追い掛け回してくる。
私の近辺の小中学校では口裂け女より有名で恐れられてた。
先生が不審者の注意を促したり、上級生の男子の幾人かは
「今日、100円おばさんに100円投げつけてやったぜ」
と騒いでいたが、私も周りも誰も会ったことがなく、あくまで怪談とか都市伝説の一種だった。
上京して数年、飲み会で出会った男性がたまたまそんな話題で100円おばさんの話を出し、聞くと隣町の同郷であることがわかり盛り上がってお付き合いに。
結婚の話がではじめ、帰郷がてら彼の家に挨拶に行くことに。
彼家族に歓迎を受け、食事会の最中、なれそめを聞かれ、彼が笑いながら
「いや、昔100円おばさんっていたじゃん~」
と話し出すと彼姉が真っ青に。