Aは外見が良く、女によくモテていた。
しかしクールで口数が少なく、友人が少ないのかいつも一人でいた。
女子たちは
「一匹狼かっこいい!」
と勝手に盛り上がり、遠巻きからキャーキャー騒ぎまくっていた。
そんなAのファンの一人がB。
さっぱりとした男勝りの性格で、髪も短くボーイッシュな感じだったが、Aに恋をしてから女らしくなろうと凄まじい努力をしたという。
私はBの雰囲気が変わったのは気づいていたが、Aの為とは知らなかった。
Bは外見を変える努力はしていたものの、Aに告白する勇気がなかったようで、Aの前をわざとらしく通り女らしくなった自分をアピールしていたらしい。
しかしAは全くなびかない。それどころかBの存在を知らなかった。
BはさらにAの気を惹こうとダイエットも始めた。
登場人物が全員22歳になったある日、私は大学にDSを持っていきゲームをしていた。
食堂で昼食もとらずに熱中していたら後ろに誰かが立っている気配がしたので振り返ってみると、なんとAだった。
Aは、「それポケモンじゃん」と興奮気味に言ってきたので
「うん、ポケモン好きだからつい学校に持ってきちゃった」と返した。
そうしたら寡黙だと思っていたAが喋る喋る。
本当にビックリした。
こんなに喋ったAを見るのは初めてで、私を含む周りの友人もポカン。
A「俺、初代から全部持ってるんだ。厳選とかしていてかなりハマってる。」
私「私もだよ。びっくりするくらいの廃人だよ。」
A「マジで!?女の子で廃人って周りにあんまりいなくてさ、驚いた。」
私「A君はどんなポケモン使ってるの?」
A「俺は○○と○○と○○と・・・」
物凄く話が弾んだ。
Aは始終笑顔でかなり癒された。
私とAは連絡先を交換し、メールやSNSなどでポケモンについて語り合う仲になった。
WI-FIを使って対戦したり、モンスターを交換したりとどんどん親密な仲になっていった。
そうこうしているうちに私とAは交際に発展。周りは物凄く驚いていた。
もうおわかりだと思うが、Bは大激怒。
食堂で味噌汁を食べているときに水をぶっかけてきやがった…