従姉の家は、伯父(60くらい。会社員)、従姉(34、会社員)、従弟(22、学生)の三人暮らし。
従姉が18の時に伯母が亡くなり、以後は従姉が母親がわりとなって働きながら家庭を切り盛りしてきた。
進学するはずだった大学も諦めて近くの小さな会社で事務員として働き、帰りに買い物して夕飯を作り洗濯し…と苦労してきた。
先日私の携帯に従弟から
「ねーちゃんがおかしくなった!」
と電話がかかってきた。
ついに従姉がストレスでやられてしまったか!?倒れたか?と取るものもとりあえず駆けつけた。
従弟談
「ねーちゃんに男ができた!結婚すると言ってる!嫁に行くらしい!子供も産む気だ!」
私ほっとする「よかったじゃん」
従弟つばを飛ばして「なに言ってるんだ!ねーちゃんは俺たちを捨てる気なんだぞ!!」
私「?」
従弟の言うことを整理すると
「ねーちゃんはうちの母親役。よその妻や母親になるなんて裏切り行為。今まで俺たちを世話してきておいていきなり放棄するなんてネグレクト(?)だ。俺とお父さんがいるのになんでよその男が必要なんだ?そんなスケベな女だと思わなかった。第一子供が欲しいって、ねーちゃんが子供産んだら俺はどうなる。ねーちゃんの子供は俺だけで十分」
ということだった。
シスコンの甘えん坊だとは知っていたがまさかここまでとは…と呆然。
私「従姉ちゃんは16年間、進学もあきらめてあんたらに尽くしてきたんだよ。もう解放してあげてもいいじゃん。従姉ちゃんだって自分の幸せが欲しいんだよ」
従弟「俺たちといてねーちゃんが幸せじゃなかったっていうのか!」
私「そうじゃなくて、女としての幸せを…」
従弟「母親なのに女でありたいなんて、テレビのたわごとだ!!」
私「いやいや、従姉ちゃんはあんたのお母さんじゃないから。姉だからね」
従弟「(ややトーンダウン)それはわかるよ。わかるけどさ、そういう問題じゃないんだよ」
私「じゃどういう問題なの」
従弟「そうじゃなくてさ、そういうのは屁理屈って言うんだよ」
ああだめだこれは…と思い、
「ねーちゃんを説得してくれ」
という従弟を振りきって帰宅。
従姉を不憫がって可愛がっている本家祖母と、総領の伯父に即効で電話しておいた。
総領伯父が
「悪いようにしてないから任せておけ。あいつ(従姉の父のこと)ももし結婚に反対するようなら俺が父親役として話を進めてやる」
と請けあってくれて一安心。
従姉の女として一番いい時期におさんどんさせておいて、結婚、出産すら許さず今後も人生食いつぶす気だったらしい従弟のずうずうしさに唖然とした。