父は、私が3歳の頃に離婚。
母は、私を虐待したというが、残念ながら覚えてない。
その後、新しい母を迎えるが、本当に良くしてくれた。
本当の娘のように、私を育ててくれたし、感謝している。
高校生になった頃、私はどうしても自分を捨てたという、生みの母に会いたかった。
父にその話をしたら、案の定怒鳴られた。
育ての母は、笑いながら
「そりゃ会いたいよね、でも、あなたをいじめたって言うし、やめておいたほうが」
と、やや否定的だった。
そこでやめておけば良かったんだけど、どうしても会いたい気持ちが収まらない。
なんだろうなあ?
別に、会ってどうこうってワケじゃないんだけど。
今思っても、意味不明な感情だった。
祖母に土下座して頼んでも、勿論生みの母の住所なんて教えてくれなかった。
右往左往してたら、見かねた父の姉、叔母さんが教えてくれた。
電話番号を手に入れたので、喜んでドキドキしながらかけてみた。
女性が出たとたん、母だとなぜか確信し、
「あの、○○(私の名前)ですが。」
と名前を言ってみたら、向こうも
「あ、ああ…本当かい?○○なの?」
と、涙ぐむ声が。
兎に角、会いたい気持ちを一心不乱に話し、向こうの提案で、ファミレスで会うことに。
生みの母は、なぜかすぐにわかった。
向こうも、私をすぐにわかったみたいで、涙ぐんで迎えてくれた。
勿論、会ってることは、父には内緒だった。
まず、聞きたかったことを聞いた。
「どうして、私を捨てるような真似したの?親権は、母親が取りやすいって聞いたけど、なんで父が?」
そう言うと、母はパッと顔を青ざめさせて、
「何も覚えてないの?」
と、真顔で言われてしまった。
曰く、祖母は、母をいじめにいじめ抜いてたそうだ。
父は、それをかばいもせず、それ所か、うまくやれない母をなじるように。
もう別れよう、娘を連れて出ていきますという話になったとき、父にしおらしく
「お願いだ、娘とふたりっきりの時間をせめて過ごさせてくれ。」
と懇願され、それを承諾。
後の、意思表示?みたいな事を聞かれたとき、私は父をジッと見て、父はコクンとうなづいて、その途端に
「私は、お父さんと一緒に暮らしたいです。お母さん、怖いから嫌だ。」
と、言ったそうな。
覚えてない、本当に覚えてない、ガチでそんな事あったの全然わからない。
そう伝えると、母はがっくりと肩を落とし、でも笑って
「そうかー!よかった!じゃあ本心じゃないってことなんだ、よかった!」
と、涙ぐんで手を握られた。
その後、母は苦労をしたが、今は違う家庭を持っていて、それなりに幸せだと告げられた。
「それで、ごめん、家庭を持ってしまったのでもう会うのは…それに嫌われていたと思っていたから。」
と申し訳なさそうに、言われてしまった。
母に本格的に捨てられてしまった感情と、記憶がない自分でぐちゃぐちゃになって、泣きながら帰った。
その泣き顔を、育ての母に見られ、
「どうしたの!?」
って驚かれてしまった。
「ごめんなさい。」
と謝りながら、実は生みの母にあってきたと伝えたら、顔色が変わった。
そりゃそうだ、この人を裏切ってしまった、って気づいたら…