電車で3時間くらいの距離のところに住んでいる人と、ある趣味がきっかけで知り合った。
趣味関係の人たちと一緒に会うことは何度かあったし、電話やメールも頻繁にしていてお互いに好意を持つようになった時、彼が
「二人で会って話したい。そして、きちんと直接告白したい」と言ってくれて、会いにきてくれた。
ところがその日、予定外の生理が来てしまい、自分は生理痛がかなりひどいのでほんとはすぐに帰って横になりたかったんだけど、わざわざ遠いところを来てもらったのにそれは申し訳ないので、鎮痛剤を買って乗り切ろうと薬局に寄らせてもらった。
生理痛が、とは言いにくかったので
「ちょっと頭痛が…」
でごまかそうとしたら、
「頭痛は大病のサイン!今すぐ病院に行こう!!ついていくから!!」
と深刻に心配してくれて今にも救急車を呼ばれそうな心配っぷりだったので、実は頭痛じゃなくて…と白状すると彼はすごく安心した様子だったし、その後の予定ものんびりできるように観光→映画に変更してくれて、とても気遣ってくれて本当にいい人なんだと思った。
その日の帰り際に告白され、付き合うことになった。
それから一週間後くらいのこと。
彼から電話があって出てみると何だか後ろが騒がしい。
親友と飲みに出かけていて、彼女ができたと話したら親友が
「挨拶させろ」と言っている。
一瞬で済むからちょっとだけ話してやって、と言われたので、面食らいながらも了承した。
もしもし~と親友らしき男性が電話を代わってきたと思ったら、こちらが
「はじめまして」も言い終らないうちに突然まくしたてられた。
「あんたが彼女!?遠距離なんだって?あのさ、会いに来させといて生理中はないわー。
そんなの何しに行ったかわからん、意味ないからさ。最低限のマナーだから、次から気をつけな」
呆然としていたら彼氏が電話を代わって…
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「ま、俺はそんなに気にしてないけど、一応常識だと思うから気をつけてね」
とダメ押し。
会いに行ったのに生理中だったとかいう愚痴を親友にこぼしてたことにも、
そもそもその日はまだ付き合っていなかったのにそういうつもりだったのかということにもとにかく幻滅した。
それでも、この電話の時はかなり酔っていたみたいだから、普段はこんなことないのかもと思い、そのまま付き合い続けること1ヶ月。
初めて私が彼の地元に会いに行った日のこと。
駅まで迎えに来た彼が
「紹介したい人がいる」
と会わせたのは例の親友。
正直会いたくなかったけど、一ヶ月前の酒の上での話を引きずるのも大人気ないと思って普通に
「こんにちは」
と挨拶したら、
「どーも。今日は生理じゃないよね?」
と開口一番に言われた。
あまりのことに無言で彼氏の方を見たら、彼氏は
「…えっまさかそうなの?じゃあ来た意味ないじゃん」
とのたまった。
男の人の本音なのかもしれないけど、せめて口に出さずにいてくれるくらいのデリカシーがほしかった。
「類は友を呼ぶ」とか、
「友人を見ればその人の性格がわかる」
とかいう言葉の意味がわかった気がした。
その場では呆気に取られすぎて怒りをぶちまけるタイミングを逃し、生理だと思い込んで明らかにテンションが下がっている彼氏を見ているのも嫌になって
「実はそうなの、おなか痛いから帰るね」
ととっとと帰ってきた。
このまま着拒で消えようか、それともお前はクズだと最後に言ってやろうかと家で考えていたら彼からメールが。
「今日は残念だったね、おなか痛いのに無理して来てくれたんだね、ありがとう」
とここまで読んで あれ?反省してる?と思ったら続き読んで噴いた。
「今日のことは気にしてない、なぜなら俺が会いに行ったんじゃなくて君がこっちに来てのことだったから。 交通費や時間を無駄にしてしまった割合は君のほうが大きいから、可哀想だったなと思ってるよ。 俺の中では遠距離の場合は男が女に会いに行くのが当然と思っているから、今回君が来てくれたのは ゲームで言うところのボーナスステージみたいなもので、あれば得するけどなくても普通のことだと思う。 だからボーナスステージが一つ無駄になったところで残念でも寂しくもないから気にしないで」
なんかどうでもよくなったので
「価値観が違いすぎる、悪いけど何もかも理解できない」
と電話で告げて終わらせた。