高校からの同級生で、私も彼女(以下A)もオタクだった。
Aはいつもなんとかリア充グループに入りたがっていて、頑張って接触を試みていた。
私から見るとAが憧れるリア充達はあんまり良いと思えなくて、本当に青春謳歌してるというよりも、派手で無法者みたいな…
でもAは仲良くなりたがってて、漫画を貸したりしてた。
でも貸した物は帰って来ない。
漫画もDVDもCDも写真集も。
あげく、過激BL同人誌を言われるままに貸してしまい、リア充達の笑い物にされその本はクラスで公開処刑状態。
それでもAは嬉しそうにヘラヘラ笑っていたけど、私はその本の作者や他の学内オタの事を思うと息苦しかった。
大学も私はAは同じ所に進学し、Aは同じ事を繰り返した。
テストノートを貸してパクられる。
代返を頼まれ逆にAが先生からペナルティを食らう。
寸借詐欺。
ピエ□役。
私はその度にやめなよって言ってきた。
Aがリア充…というか派手グループに入りたいのは分かる。
でもそんな付き合い方は良くない、見ていて忍びない。
そう言ってもAは、ああいう派手で奇麗で遊び上手で流行言葉を駆使して話す、そういった人達に学内で声をかけられたり手を振られたりするだけで誇らしいようで、むしろ私がそれを妬んでいるように言われた。
実際、Aが派手グループと親しいという事がAにとってプライドを満足させる事はあったみたい。
(周りから一目置かれる、他の奇麗な子、サロモやってる子から挨拶してもらえる、ニックネームで呼んでもらえるなど)
Aは金銭的に損害がかなり出始めて、先生からも見放され、私や昔の友人とはもうかなり距離が出来ていた。
目も二重まぶたに整形しちゃってた。
可愛くなってたけど。
ある時Aは、花火大会に家を貸して欲しいと派手グループに頼まれた。
Aの実家の屋上は花火大会のベストポジション。
それをAはよく自慢してた。
Aはその年の花火大会は家族皆で屋形船から見る事になっていて、家は留守。
だから良いよと返事をしてしまった。
私はそれを知って猛反対した。
留守宅に他人を上げるなんて、ご家族は了承しているのかと。
すると家族には秘密だった。
その日は遅くまで家族や親戚で呑むから、終電までに帰ってくれたらそれで良いと。
来るのは女子3人だけだし、A実家はお店をしていて、外階段から屋上に上がれる。
それなら自宅内には入れないし、大丈夫だと。
私は、そんな約束守ってくれるか分からない、
おそらく他の友達も連れてくるだろうし、
少なくとも家族に黙ってなんて言うのは絶対に駄目だと。
Aは、私は人を信じなさ過ぎ、暗い人とばかり付き合って暗い本ばっか読んでるからそうなるんだよ、美人に偏見あるよ、
派手な子達って実際は良い子なんだよー と言っていた。
でも、親にはちゃんと言う事にするよ、って約束してくれた。
そして花火大会当日。
すっかり呑んで花火も堪能し自宅に帰ったA家族が見た物は…