どこでもドアが欲しかった

友人の披露宴のために結婚式場に行ったら、見知らぬ初老の女性に花嫁のダミーになってくれと頼まれた…

time 2016/12/03

友人の披露宴のために結婚式場に行ったら、見知らぬ初老の女性に花嫁のダミーになってくれと頼まれた…

もう20年ぐらい前のことだけど、友人の結婚披露宴出席のために某結婚式場にいた。

早目に着きすぎてロビーのソファに座って顔見知りがいないかキョロキョロしていたら、ホテルマンらしき男性に
「少しお時間頂けますか?」
とか言われて、ワケがわからず
「はぁ」
と答えたら、初老の女性が現れて一緒に来て下さいと頼まれた。

なんとなく断りずらい空気があって、怪しい感じでもなかったから付いて行ったら、親族控室みたいな所に連れていかれた。
そこには10人ぐらい集まってて、私を見た途端にそれぞれが
「おー」
と歓声のようなワケの分からない声を上げた。
中に新郎の恰好をした男性も交じっていて、なんかオロオロしてた。

ホテルマンの男性もそのままいて、さっきまで一緒についてきた初老の女性が
「あなたにお願いがあります。どうか私たちを助けてください」
と言うようなことを言われた。

そのお願いというのが、早い話が花嫁のダミーになってくれということ。
花嫁さんが式当日いなくなっちゃったらしい。
どういう事情でいないのかは説明されなかったし、こちらも聞かなかったけど、花婿さんのオロオロした様子からして、逃げられたのかなーと思った。
わからないけど。
で、ロビーにいる私を先程の初老の女性が見つけたらしい。
花嫁に物凄く似てるらしいんだ、私が。


披露宴はどうしても中止にできない事情があるらしくて、ただ黙って座ってるだけでいいから、花嫁に成りすましてもらえないかと。

もちろん最初は断った。
なんとなくバチ当たりな気がしたし、友達の披露宴に出席しなきゃいけないし。
それに絶対バレるって!って思ったし。
でも自分の母親よりずっと年配の女性に土下座せんばかりに頭を下げられて、他の人たちからも涙目で頼まれて、なんかその場の雰囲気で断れなくなってしまった。
それで、ホテルの人が友人に事情を説明して来てくれることになった。

それから衝撃の体験が始まった…

(Visited 937 times, 1 visits today)

down

コメントする

シェアする

  • 人気記事

  • 最近の投稿

  • 最近のコメント

  • アーカイブ

  • カテゴリー

  • メタ情報

  •