どこでもドアが欲しかった

友人の披露宴のために結婚式場に行ったら、見知らぬ初老の女性に花嫁のダミーになってくれと頼まれた…

time 2016/12/03

友人の披露宴のために結婚式場に行ったら、見知らぬ初老の女性に花嫁のダミーになってくれと頼まれた…

私はそれからめまぐるしく大忙し。

顔から首筋、それに手まで真っ白に塗られて、色打掛を着せられた。 
写真を見せてくれたんだけど、似てると言われれば似てるような気もするけど…ってくらいの感じ。 
花嫁さんには唇の上に割と大き目の黒子があるけど私にはない。 
というワケで、黒子描かれたw

会場に入ってぐるっと歩いて回る間、心臓の音がバックンバックン聞こえるし、ひな壇に上がって座ってからは眠気と闘うのに必死だった。 
眠気が去ったと思うとお腹が空いてきて、目の前の御馳走が食べたくて食べたくて、やっぱり断れば良かった~と大後悔。 
こんなの絶対新婦の友人にはバレてるよなぁと思ったけど、お色直しの時に新婦のお母さんに聞いたら、友人たちは事情を分かってるらしい。

なんかよく分かんないけど、絶対バレてはいけない人が何人かいるらしいんだよね。 
だからキャンドルサービスの時はこのテーブルは早めに終わらせて・・・とか指示があった。

彼氏でもない男に腰に手を回されて気持ち悪いし、イラッとするし、早く終わってくれーとそればっかり考えてた。 
3時間強かかってたと思う。 
なんとか終わってホテルの一室に案内されて、新郎と新郎の両親、新婦の両親それぞれからクドイぐらいお礼言われて、ルームサービスをとったので、食べてからお帰り下さいって言われてやっと解放された。 
今日のお礼だと渡された封筒には30万入ってた。

あの新郎はその後どうなったんだろう。 
披露宴を誤魔化したって、花嫁が戻ってこないと新婚生活は送れないだろうし、ここから先は誤魔化しようがないと思うけど。 
成田離婚したことにでもするのかなぁ。

これが私の今迄生きてきて凄く衝撃的だった体験。

ちなみに披露宴を欠席してしまった友人の新居に後日お詫びを兼ねて訪問した時、 友人は
「私より面白そうなことやっててずるいと思ったw」
って笑って許してくれた。

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