それが、あることがきっかけで気づいてしまったのです。彼夫がA太からの電話を出る時に誤ってボタンを押し、一瞬ハンズフリー状態になったんです。ほんとに一瞬ですが、「もしもし?彼夫?」と明らかに女の声でした。
その後、チャンスを見て彼夫のケータイメールを見ました。
案の定、「昨日はありがと。またいっぱいぎゅってしてね。」「今度いつ会える?」とか。
送信メールには「来週出張って言ってあるから待ってて」「大丈夫、信用されてるし見られることはないよ」とか。
メラメラと怒りがこみ上げてきて、その時にはもう愛情は冷めていました。
ただ、痛い目に合わせたいと。
とりあえず自分のsdカードにコピーしておきました。
彼「来週また東京に出張になったよ。ごめんな、いつも急で。」
私「大変だよね。気をつけて行ってきてね。その日私も友達とちょっと小旅行してきてもいい?」
普通なら何か疑わないかなぁ?彼女が突然数日後に旅行だなんて。
彼「お、いいねぇ!行っておいでよ!どこに行くの?」
私「北海道」
彼「えーすげえ!!いいなー、やるなー!」
きもいくらいのテンションで寒気がしました。
もちろん旅行なんてしない。友達がちょうどその時期に北海道行くって言ってたから少し利用させてもらうことにしました。
その後彼夫のケータイを見ると、
彼「彼女がちょうど旅行らしいから俺んち来る?」
A「行く行く!そしたら何も気兼ねなく好きなことできちゃうね。」
なんて。勝手に好きなことバンバンやっちゃえばいい。むしろやっててくれ。
当日、何食わぬ顔でキャリーバッグを持って家を出ました。
私「北海道だしまだ長袖じゃないと寒いよね。あ、おみやげ白い恋人でいいかな?」
彼「なんでもいいよ。たのしんでこいな。たまには息抜きも必要だしな。」
私「A太君によろしくね」
彼「おう。俺も暇見て息抜きするわ。」
私「そうだね。いっぱい抜いておいでよ。」
いやみは通じなかったらしい。ま、思う存分抜きたまへ。
私は少し楽しんでいました。冷めてたからなのか、少しワクワクしていました。
事情を知っている友達に連絡し、服とカメラと帽子とサングラスなど、一式借りました。
私とわからないくらい奇抜なメイクをし、友達の家で待機。
友達が、小さいころに遊んだおもちゃの変声器みたいなものも貸してくれました。
昼頃とりあえずメール。
私「着いたよー。こっちはまだ寒いみたい。東京はどう?」
彼「日差し強くて暑いよ。」
私「あれ?どしゃぶりじゃない?たしかニュースで東京すごい雨ってやってたけど」
彼「あ、ちょうど今降り始めたよ。」
私「ごめーん!沖縄と間違えてた。東京快晴だって。通り雨?」
彼「そうみたい。今やんだわ。」
友達と二人でケラケラ笑い転げました。頭いい人だと思ってたのに、なんて間抜けなやつだろうって。
そんで夜、家の近くで友達と部屋を見張っていました。電気が消えたら突入と計画していました。
友「あんたバレたらやばいし私行こうか?」
私「いや私が行く。友を危ない目にあわせたくないし、私がこの目で見たいから。」
電気が消えた!!もう12時を回ったくらいでした。
合い鍵使って進入し、音が立たないようにゆっくりゆっくり寝室に近づく。
あえぎ声やらギシギシ音が聞こえてきた。
私は片手にカメラ、片手に部屋の電気のリモコン、体型がわからないような服に帽子、マスク、変声器。
自分の彼氏だし、逝く時の雰囲気はわかるから、直前で突入しようて決め、その時を待った。
彼夫が「うぅん…どう?いい?そろそろ…いい?」なんてブツブツ言い始めたところで、
部屋の電気をつけ、
「うはははは!うひゃひゃひゃひゃ!ひーひーひー!うぇっへへへへ!」
と叫びながら突入、パシャパシャ数枚写真を撮り、ダッシュで逃走。
その間、二人はあまりの驚きに身動き取れず叫ぶ暇もなく。
もう爽快だった。写真もばっちり撮れていた。
旅行(のふり)を終えて家に帰ると、彼夫はすでに帰っていました。
私「ただいまー。楽しかったぁ!はい、おみやげ、白い恋人ね。あと、これ、写真立て。それからまりもっこりと、まりも。」
彼「…」
あら、もしやバレたかな?今日決着かぁ。おもしろくないなぁ。って思ってたら、
彼「おまえさ、鍵なくしたりした?」
私「え?家の?持ってるよー。どうしたの?」
彼「いや…なんか荒らされてる気がしてさ。」
私「でも鍵かかってたんでしょ?何もおかしくないよー」
彼「いや…でも…」
私「あ!私一回なくしたことあった!ほら、今の鍵はスペアだもん。引っ越してすぐくらいの頃。えーそしたらほんとに泥棒?でも何か取られた?けど警察には言わないとだめだよね。」
警察に電話しようとすると、
彼「いやいやいや!いいよ、何もおかしいところないしさ、警察も調べ損になるし」
プロに調べられて何か証拠が出てくるとまずいですか。
ともかく私を疑った様子もなく、一安心した。
その後着々と証拠集めをして、復讐の日を待った。
彼夫の出張を尾行し写真におさめ、彼夫とA子がラブホに入るところまで突き止めることもできた。
ケータイメールも保存し、ハメ撮り画像も見つけることができた。画像添付のメールをそのまま保存しといた。
さて、復讐の日はいつにしようかと考えていたところ、タイミング良く彼夫が私の浮気を疑い始めた。
私は証拠集めや計画を立てるためにちょくちょく仕事を休んでいたため、ちょうど私が友達の家で写真整理をしていた日に、家に会社から電話があったらしい。
彼「おまえ、だまって仕事休んで何してたんだよ?」
私「だまってっていうか、仕事休むのに許可もらわなきゃダメだっけ?」
彼「あたりまえだろ!一緒に住んでるんだし、何してるかわからないと心配だろ?まったく…陰で何してるんだか」
私「あたりまえ?そうだっけ?」
彼「俺だって出張でどこどこ行くとか全部報告してるだろ?いずれ結婚するんだらあたりまえだろ。」
結婚という言葉を聞いて、ちゃんちゃらおかしいわとニヤケてしまった。
私は彼夫を無視し、電話をいじり始めた。
彼「話聞いてんのかよ!バカにすんなよ!」
無視し続け、電話をかけるふりをした。
私「あ、もしもし、○○商社の○○と申しますが、○月○日に東京で彼夫さんと打ち合わせた件でお電話したのですが…」私「え?その日彼夫さんは東京に出張してない?いえ、そんなはずは…」
私「有休で休んでいた?あ、そうですか、人違いかもしれません。失礼しました。」
彼夫を見ると唖然とした顔。
彼「会社に電話したのか?!何してんだ、頭おかしいんじゃねーか?ああ?おめえ、狂ってんじゃねーか?ああ?」
キレました。ますます笑いそうなの堪えて、
私「出張じゃなかったの?嘘ついてたの?」
彼「嘘じゃねーよ!有休扱いになる出張だったんだよ!何もしらねーくせにふざけんなよ!」
そこで私は切り札を出し始めることにした。
まずは、彼夫とA子が並んで歩いてる写真。
彼「こいつは会社の後輩だよ!外周りしてたんだよ!」
次に手をつないだ写真。
彼「こ、これはこいつがよろけて足ケガしたから支えてやったんだよ!」
次にホテルに入るところの写真。
彼「ト、トイレが近くになくて…」
どんどん彼夫の顔が赤くなってきた。
もうおかしくておかしくて脂汗が出てきたくらい。
次に最初に撮った突入写真。彼「あ、あ、アイコラだ!!ふざけんなよ!」
と破り捨てた。
私「そっか、わかったよ。ごめんね疑って。アイコラかぁ。最近のってすごい自然にできるんだねー。トイレ我慢してたらラブホも入るよねー。うんうん、勘違いだね、ごめんねー。んじゃその女呼んで。ここに今すぐ。」
彼「そんなの迷惑だろうが。」
私「そっかぁ、そうだよねー。じゃあとりあえずA太君に電話して。出張一緒に行ったって確認だけさせて。」
彼「A太だって迷惑だろ!」
私「えー?いっつも夜中にガンガン電話来てるじゃーん。いいよ、私がかけてあげる。」
そう言って隙をついてケータイ奪った。
トイレに駆け込みA太に電話。もちろんA子につながる。
私「人の彼氏に手出していたようで。こっちは婚約してんだから慰謝料たっぷりいただきますから。じゃあおとなしくお待ちください。」
彼夫はまた呆然。
彼「え、A子出たの?」
うわ自爆。A子って言っちゃってるし。
私「とりあえず出てってくれる?あんたと同じ空気も吸いたくない。気持ち悪い。」
彼「違うんだ!あれは無理矢理しつこく迫られてしかたなく…だからごめん!浮気じゃないんだ!不可抗力だ!」
意味わかんない。そっか、ケータイ見たこと知らないからか。
そこから完全に無視し続け追い出した。
その後、写真とプリントした携帯メールと画像、ラブホに入っていく動画、すべてセットで彼夫実家に郵送。
後日両親に土下座されました。その時に、会社辞めたって聞いた。殴り殺してやりたいくらいって。
それはやめてあげてくださいって言っておいた。
もう関わりたくなかったし慰謝料はもらわないつもりだった。婚約してるかどうか微妙な気もしたし。
だけど両親がどうしてもって言ってくれた。
A子の方は、とんずらしたらしい。それも許せないけど、そのA子分の慰謝料も彼夫に払わせると言ってくれた。
どーせそんな金使わないけど、くれるんならと貰っておくことにした。
彼夫はしばらく私の家の前で泣きながら謝って叫んでたけど、警察呼んだら連行されてった。
メールや電話もしつこいから警察に言ったら、また家の前にいるときに連行されてった。
それからは何もないけどどうなったのかな?