その翌年、友子が私の部屋に男連れでやって来た。
私子がちくったせいで好きでもない男と結婚させられたから、せめてものお詫びに部屋を貸せと脅迫された。
一緒にいるのは旦那では無くて彼氏だと言われた。
私は自分の部屋をラブホにされるのは嫌なのでドアを開けず、家に電話した。
友子は同じ小学校だった友達から、私の年賀状で住所を知ったらしかった。
結構経った後、友子に住所を教えた子から謝罪の電話があった。
その数日後、友子が学校の前で待ち伏せしていた。
走って逃げたら追いかけて来たが、一緒にいたのはこの前と違う男だった。
「こないだの彼氏と違うじゃん! あんた何やってんの!」と怒鳴ったら、連れの男が激怒して友子を殴った。
友子が逃げて、男が「おい待てよこのクソ女!」と罵りながら追いかけて行った。
私は部屋まで逃げ帰って、また親に連絡した。
親も激怒して、友子の親に相当強く言ったので、友子はそれから現れなくなった。
念のためにまた引っ越しをした。
引っ越し費用は友子の親が出してくれた。
それから平和だったけど、大学卒業間近になって実家に友子から引っ越し通知のハガキが来た。
「嫌な想い出しかない日本」
「私子さんが住んでる汚い日本を離れます」
「こんな国に生まれたくなかった」
「私子さんは私を傷つけておいて平気なんですね、一生呪います」
「私は美しい人と美しい心だけの国で暮らします、そしてあなたを忘れます、それが私の復讐です」
メッセージはうろ覚えだけど、一生呪いますの次の行で忘れますと書いてあったのはガチ。
大人しかった幼馴染がおかしくなりすぎて、私は友子と暮らしている間に何かしてしまったのかと真剣に悩んだ。
絵ハガキがエッフェル塔だったのでパリに行ったのかと思ったら、友子の引っ越し先はアジア某国の田舎だった。
浮気のせいで夫に慰謝料を請求され、泣きついたその国の人に慰謝料を出してもらう代わりに結婚したらしい。
何かで国名を見る度に友子を思い出して、嫌な気分になる。
呪われた。