母は「何で!」と怒っていたし、俺も土下座する父とかを見て、オロオロしてた覚えがある。
でもけっこう早い段階で、全員で一緒に晩ごはんを食べることになった。
トンカツとか、そんな普通の晩ごはんだったと思う。
その時まで俺は、一人っ子で、何かひねくれていて、家で親の言うとおり、まじめにするのが何か
恥ずかしいと思っている子どもだった。食事も好き嫌いはないのに、何となく○○は食べたくないと
偏食してみたり、親が注意しても、箸をきちんともたなかったり、ひざたてて食べたりしていた。
兄は箸の持ち方も食べ方もきれいで、父が食事の最中、「こうでなきゃ」みたいなことを言った。
それを聞いて、何となく負けたくなかった俺は、今までやらなかった、行儀のよい食べ方をしだした。
好き嫌いもせずに食べた。
それを見て、母は「この子は兄弟がいたら、こんなにちゃんとするのか」と思ったらしい。
それだけじゃないとは思うけれど、それきっかけで、母は兄をひきとることを決め、
そのまま兄はうちの子になった。
俺が小学4年生、兄が小学5年生の話。8ヶ月差の年子だったから、それからも
兄ができることは俺もできる、みたいな感じで、宿題とか勉強もするようになり、
ひねくれてた俺は、まともに大学までいけるようになった。
兄は兄で色々思うことはあったと思うけど、今は最初から4人家族だったみたいに
普通の家族でやってくれてる。
今思うとあの場にいた俺以外の3人すごいなーと思う修羅場。