「お?オマエが親か????」と疑いの視線で俺は見た。
すると、通路の向こうからバカ餓鬼が二名走ってきた。
通路に立つ妊婦。「おいおいぶつかるぞカーちゃんww」と思っていたら、
走ってきた子供らの一人は襟首を、一人は手首をがっしりと掴み
驚いて動きの止まった餓鬼の前にしゃがんでこういった。
「ねぇ?ひとつ聞くけど、ここは鬼ごっこしていい場所かなぁ?」
笑顔だけど、低めの声で。
「走っていいのかな?騒いでいい場所かな?考えてみよっか」
餓鬼蒼白。
すごい勢いで首を横にふって「・・・・ち・・ちがいます」
「そうだねぇ。スゴイじゃん。ちゃーんと解ってるね。じゃあどうしたらいいかもわかるかな?」
「・・・・しずかにするぅ・・・」
泣きそうな表情で言う子供たち。そこへ同じく騒ぎに参加していた子供も
駆けつけて不安そうに見ている。
「よし。えらいね。そうだね。静かにしよう。ところで子供だけで来たの?」
「・・・・おかあさんと・・・・・」
妊婦さんは子供らの頭に手をやり、わしわしなでた後に、
「退屈になったんなら、ちゃんと子供用の場所があるからそこへ行こうね」
といって背中をぽんと叩き
「おかあさんとこに行きなさい。」言った。
子供ら無言で母親のいるらしい場所へ帰った。
真横で何も出来ず、全てを見ていた俺に出来たのは、
「あ、あの、親が逆切れしてきたら大変だから。戻った方がいいですよ」
ということくらいだった。
すると
「まぁ そのときはそのときで。」
ドリンクバーへ向かっていった。
妊婦さんが自分のブースに戻るまで、気が気じゃなかった・・・・。