どこでもドアが欲しかった

漫画喫茶中を走り回るガキにムカついてると…

time 2016/12/05

漫画喫茶中を走り回るガキにムカついてると…

「お?オマエが親か????」と疑いの視線で俺は見た。 
すると、通路の向こうからバカ餓鬼が二名走ってきた。 
通路に立つ妊婦。「おいおいぶつかるぞカーちゃんww」と思っていたら、 
走ってきた子供らの一人は襟首を、一人は手首をがっしりと掴み 
驚いて動きの止まった餓鬼の前にしゃがんでこういった。 
「ねぇ?ひとつ聞くけど、ここは鬼ごっこしていい場所かなぁ?」 
笑顔だけど、低めの声で。 
「走っていいのかな?騒いでいい場所かな?考えてみよっか」

餓鬼蒼白。

すごい勢いで首を横にふって「・・・・ち・・ちがいます」 
「そうだねぇ。スゴイじゃん。ちゃーんと解ってるね。じゃあどうしたらいいかもわかるかな?」 
「・・・・しずかにするぅ・・・」 
泣きそうな表情で言う子供たち。そこへ同じく騒ぎに参加していた子供も 
駆けつけて不安そうに見ている。 
「よし。えらいね。そうだね。静かにしよう。ところで子供だけで来たの?」 
「・・・・おかあさんと・・・・・」 
妊婦さんは子供らの頭に手をやり、わしわしなでた後に、 
「退屈になったんなら、ちゃんと子供用の場所があるからそこへ行こうね」 
といって背中をぽんと叩き 
「おかあさんとこに行きなさい。」言った。

子供ら無言で母親のいるらしい場所へ帰った。

真横で何も出来ず、全てを見ていた俺に出来たのは、 
「あ、あの、親が逆切れしてきたら大変だから。戻った方がいいですよ」 
ということくらいだった。

すると 
「まぁ そのときはそのときで。」 
ドリンクバーへ向かっていった。 
妊婦さんが自分のブースに戻るまで、気が気じゃなかった・・・・。

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