どこでもドアが欲しかった

家に入ろうとしたらナイフを持った男に襲われた!!が、私は兄から「喧嘩三箇条」を指導されていた。

time 2016/12/07

家に入ろうとしたらナイフを持った男に襲われた!!が、私は兄から「喧嘩三箇条」を指導されていた。

まずその3、手に持っていた鍵を右手に握り締め、相手の鼻っ柱にパンチを入れた。 
(3、女のパンチなんて効かないので、拳で殴るときは小石でもなんでもいいので手に握り込め。パンチ力が増す。) 
相手がひるんだので、もう一発!と思ったのだが今度は顔を背けて避けられてしまった。 
が、鍵を握った時に鍵の先が小指側からはみ出して握られており、その鍵先が相手の背けた顔に当たったらしく手ごたえがあった。 
相手は頬から出血した。 
男はその頬を手で押さえていたので、その手の甲に鍵を、逆手で突き刺すように叩きつけた。 
相手は立ち上がり、私も立ち上がった。 
立ってみると男は意外と小柄。恐怖は敵を大きく見せるもんだ、と兄が言っていたのは正しかった。 
そこでその2、まだ履いていたハイヒールのつま先で、相手の脛を蹴り上げた。 
(2、立っている相手の脛を靴のつま先で蹴り上げろ。素人は足元が見えない。) 
男はドアを開けて逃げ出した。

そこで助けを呼ぶなり、ドアを閉めるなりすればいいものを、兄の教えが刷り込まれてしまっていた私は最後にその1をやろうとした。 
(1、まず戦おうとせず逃げることを考えろ。逃げられないときはとにかく大声をあげろ。) 
けど、相手に逃げられてしまったので、仕方なく
「うおおおお~~~~」とか雄たけびをあげながら男を追いかけてしまった。 
私は、逃げろ→走れ→追いかけろ、と兄の教えその1を変な脳内変換してしまったらしい。
単にアドレナリンが爆発したのかもしれない。 
男はエレベーターの横の階段に差し掛かるところだったので、
「ふじこふじこ!」と私でも何を言ってるのかわからない言葉を叫びながら後を追った。 
待て!とか言いたかったんだと思う。いや、待たなくていいんだけど。 
が、ハイヒールで走ったことで、階段の手前で転んでしまった。 
しかし男も階段をあわてて降りようとしたせいか階段の途中で転んでしまっており、下の踊り場まで転げ落ちて動けなくなっていた。

私の叫び声を聞いた同じマンションの人がKを呼んでくれ、男は御用となった。 
私は「やりすぎ」とお説教されたが、男の一番大きな怪我は階段から落ちた時のものだったことなどからお咎め無し。 
私のけがは転んで膝を擦りむいただけだったので、救急車も断った。 
また、男は余罪もあったらしく実刑を食らったとか。

その後、私は部屋を引き払って実家に帰り、今でもそこから通勤している。 
男がどうなったのかなどは知らない。 
この武勇伝?が職場で変に曲解されて伝わっているらしくて、女性崇拝型のMっぽい男たちが妙に寄ってくるのが今は修羅場かな。

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