どこでもドアが欲しかった

家の事情でボロボロの私を助けてくれた先輩の話し

time 2016/12/08

家の事情でボロボロの私を助けてくれた先輩の話し

自分が一年で先輩が二年の冬。
部では卒業式に向けて部全体で大型製作をしてた。 
でもその頃ホントに家がグチャグチャで、私は部活にもあんまり行けなかった。 
それで製作にほとんど参加出来ないままに、完成の日を迎えた。

その年の美術部の顧問は生徒に嫌われまくりの中年の女の先生(あだ名はヒステリー婆) 
完成の日やっと部活に行けた私に、顧問は
「今更来るなんて何のつもりだ、さっさと帰れ」
って皆の前で怒鳴った。 
確かにそうなんだけど、すごい悲しくなってトボトボ家に帰った。

そしたらちょっとしてから家に先輩から電話がかかってきた(その時先輩は部長になってた) 
「○○も美術部の部員なんだから、おいで」
って言われた。 
「先生に帰れって言われた」
って答えたら、
「あの人のことは気にするな」
って言ってくれた。 
本当はお披露目の時くらい手伝いたかったから、内心嬉しくて学校に戻った。

そしで皆で作業してたら、案の定顧問が来て
「何でお前が参加してんだ」
ってまた怒鳴られた。 
そしたら先輩が
「○○も部員なので、参加してもらうべきだと思って呼びました」
って言った。 
顧問は今度は先輩に向かって
「顧問を差し置いてお前にそんな権利があると思ってんのか」
みたいなことを言った。 
先輩は
「今回は事情があっただけで、普段○○は一生懸命やってます。だから参加すべきと判断しました。それに一人だけこういう時に故意に参加させないのはハッキリ言って苛めです。納得できません」
って。

普段あんまり怒ったり声を荒げない先輩がすげーど迫力で怒ってたから、部員皆がビビッてた。 
それで顧問も
「じゃあ勝手にしなさい!」
みたいな感じでプリプリしながら行ってしまった。

先輩はその後何事もなかったみたいに
「じゃあ、許しも出たので作業をしましょう」
みたいな感じで作業開始。 
私が後で
「すみません」
って先輩に謝ったら、先輩は
「○○が参加してくれて嬉しいよ」
とだけ言ってくれた。

後日談。
先輩が卒業する時すげー悲しくて、卒業式のお別れの時わーわー泣いてしまった(´;ω;`) 
そしたら先輩は
「○○が私と同じ高校に入れば、また一緒に絵が描けるよ」
って言った。

先輩の入った高校は地元でも有名な進学校。
私は超ボンクラだったけどその言葉を励みに死ぬ気で勉強した。 
三年でその高校を受験して合格。
先輩との付き合いは高校でも続いて、先輩とは違う大学だけど進学もした。 
先輩に会わなかったら、多分私は不登校になってたし、中学に行ってても今の人生はなかったと思う。

本当に飾らない、すげーカッコ良い先輩だった。

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