それから一週間ぐらい経って侵入者が逮捕された。
どうやら義父が痴呆初期だった頃に、玄関の鍵穴に鍵をさしっぱなしにしてた事があったみたい。
それを抜いてスペアキーを作って元に戻しておいたらしいんだ。
逮捕された男は40代の浮浪者で、その頃はまだ浮浪者ビギナーだったそうな。
痴呆の独居老人が住んでるのはわかってたし、いずれ空き家になると踏んで様子を見てたらしく、案の定予想通り空き家になってからは、雨の日の夜だけ侵入して寝てたらしいんだ。
時々私たちが天気の良い日に風通しに来てた事も知ってて、かち合わないように気を付けてたらしい。
最初の頃は、見つからないように寝る所にはできるだけきれいな新聞紙を敷いてたらしいけどついつい慣れてきてソファで眠っちゃったって。
その事があってから、義妹たちと相談して中の物を整理し賃貸に出すことにしたんだ。
実は風通しだけでなく、時々義父の衣替えの服を取りに行ったり実家に確かあったはず・・・
なんて言って、大工道具とか色々取りに行ったことがあってそれは雨の日や夜だったこともあったんだよね。
もしかしたら40代の浮浪者男性と女ひとりで対峙することもあったかも知れないと思うとゾッとした。