私の高校は被服科のあるところだった。
私は普通科だったが被服科の彼氏(以下D)ができた。
Dはデザイナーを目指していて、私に一着の服をつくってくれた。
学生ながら結構質もよく、個性的な刺繍がある白いシャツで、かわいかったのでよく着た。
そのまま卒業まで仲良かったんだけど、私が第一志望の大学に進学が決まり、自然消滅の形で別れた。
で、大学時代、要らない服や鞄を発展途上国に送るボランティアがあった。
例のシャツには思い入れもあったんだけど、そのとき付き合っていた彼に悪いなと思っていたこと、もうシャツがくたびれていたこと、かといって捨てられなかったこと、あれから成長期がきて身長が10㎝強伸びてつんつるてんになってしまっていたことなどで、そのシャツをボランティアに出すことにした。
ボランティアに出す服にはメモをつけることが出来たので
「この服には私の幸せな記憶がいっぱい詰まってます、これを着るあなたもそうなりますように」
みたいなポエムみたいなことを辞書引きながら英語で書いた。
で、時は流れてアラサーに差し掛かった頃。
突然高校の友人から呼び出され、久しぶりに会った。
すると…