俺は体重100キロを越し、髪型は丸坊主、卓球とアメフトと翠星石を愛する自称オタクスポーツマンである。
自前のアメフト防具をもって妹の部屋におじゃました。
三日目、ピンぽーんと鳴り奴が来たようである。
妹が出て「今日はちょっと」「眠たいので…」と断るが、
「他に頼れる人が誰もいないんだって☆お願い!どうしてもお願い!」
と言うから引き入れた。罠とも知らずにバカめ。
俺「いらっしゃい」
男「っっっっ!!!!????」
そこには下から上までフル装備に身を包んだ俺が居た。
妹「あ、大学でアメフトやってる兄です。今日は遊びに来てて」
俺「すまんな、お構いなく」
男「あ、ハイ…」
微妙な空気だが男は座り、妹と世間話を始めた。
だがフル装備でヘルメットを被りマウスピースを加え正座すると
ピザな俺としては非常に苦しい。
フシューッ、フシューッ、フシューッとダースベーダーのように息が漏れる。
次第に男の沈黙が多くなる。これはチャンスだ。
俺「ところで君、高校の時は何をやっていた?」
男「っっハイ!?」
俺「部活だよ、部活。よく見たら良い体してるじゃないか」
男「あ、テニスです。今もテニスサークルです」
俺「いいよ、いいよ。俊敏さはランニングバックに必要でね。
君ならアイシールドみたいな切り返しが出来るよ」
男「あ、ありがとうございます…」
そして沈黙。だが俺は終わらない。
ガタッ(おもむろに立ち上がる俺)だが足がしびれて不覚にも男に倒れ込む。
男「うわぁぁぁぁ」ドサッ
俺「すまんすまん、大丈夫かい?」
男「あ、はい、大丈夫っす」
俺「うぉぉぉぉ!君はなんて丈夫な体なんだ!アメフトだ!アメフトをやるしかない!」
他にもプロテインや筋トレやアメフトの練習などを一方的にしゃべった。
こうして朝までアメフトの勧誘をしまくり、名前と学部も聞いて、後日会おうと約束まで取り付けた。
そして始発が動くちょっと前、「少し走ってくる」と部屋を出た。
男には「君がここに来るなら僕はいつでも駆けつけるからまた話をしよう!」
と釘を差して。
部屋に戻ると男はいなかった。
妹曰俺が出てすぐに「そろそろ行くわ」とでてったらしい。
「聞かれても俺の携帯教えないでね」と言い残して。
もう来ないだろう。