婆だったのよ。
婆にママになってほしかったんだって。
でも言葉にできなくて、気付いてもらえなくて、悲しくて泣いたんだって。
それ聞いて婆の涙腺は破壊されたわ。そしてプロポーズされて結婚したの。
式の間中その時のこと思い出して、涙が止まらなかったわよ。
ずっとずっと良い子だったわ。妹のこともとっても可愛がってくれて一生懸命面倒見てくれて。
ああ、あの時本屋さんで気付かなかった鈍い婆の代わりに、ちゃんと爺に気持ちを伝えてくれて良かった。
おかげで爺と夫婦になれて、ふたりの娘の母親になれた。
ありがとうと崖から叫びたいわ。