休んでいる間はネットで漁りまくって
喧嘩や格闘技の情報を手に入れようとした。
ゲオでブルースリーの映画や、
ドロップなどの喧嘩映画を借りて、
戦闘シーンだけ何回もみて、
自分なりにノートにまとめたりした。
そしてある結論を出した。
カンフーは強い。
でも短期間でカンフーの全てを習得するのは無理なので、
一つだけの技を磨くことにした。
飛び足刀蹴りだ。
飛び蹴りは威力が高いらしいし、
何よりカッコいい。
久しぶりに学校に来るとAが擦り寄ってきた。
「よぉ?チビ。俺の蹴り痛かった?www」
俺は怒りにみちたが、皮肉を込めて
「あぁ、試験で0点取るぐらい痛かったさw」
って言ってやった。
Aは意味が分からなかったのかゲラゲラ笑って去って行った。
アホが。
この頃からAは次第にヤンキーグループの奴らにもちょっと強気
になっていた。
肩パンされたらニヤニヤして
「やめてくれよw」
って言うようになったり、
ちょっとした意見を言ってみたり。
俺はそうしている間にも飛び蹴りの習得に力を入れた。
帰って速で公園に行き、夜遅くまで練習
あの頃の俺は本当に努力家だった。
本物のブルースリーになった気分だった。
公園の人達に怪しまれたりもしたが、そんなのどうでもいい気分だった。
ある休日、午前中に練習をしていると、おっさんが話しかけてきた。
小太りの眼鏡のおっさんだった。
「君は凄いね!空手家かなんか?」
俺はあまりの節穴に呆れた。
そして、キレのある蹴りを木に見舞った。
おっさんは拍手した。
俺は気分が良くなり、何発も見舞った。
土曜日になる度におっさんは俺を見にやってくる。
いつの間にか仲良くなり、こうなった経緯を話した。
するとおっさんは怒り狂い、
「なんて奴だそいつは!必ず倒してくれよ!」
俺は約束した。
次の週からおっさんも飛び蹴りの練習に付き合ってくれた。
格闘技の本とかを熟読してきたらしく、俺にうんちくを垂れてきた。
その日から俺とおっさんの特訓が始まった。
その次の土曜日。
おっさんは真新しいヘッドギアと空手用?のグローブ、長方形型のミットを持ってきた。
土曜日は技術習得とスパーリング練習、ミット打ちとなった。
スパーリング中のおっさんは何気にフットワークが軽く、
全然攻撃を与えられなかった。
一発も当たらなかったし、何発もパンチを貰った。
まあ、軽くだけど。
組み技も本を見様見真似でやってみたが、
組み技は下手くそ同士がやったので、
なかなかグダグダで、
傍からみれば高校生とおっさんがイチャイチャしてるように見えたと思う。
練習が終わればいつもおっさんの家に遊びに行った。
妻子持ちだった。
中3の女の子はめっちゃ可愛かった。
土曜日以外はひたすら筋トレと土曜日学んだ事を反復練習 。
この頃から飛び蹴りは実践性がない事に気づき始めた。
そろそろ戦う準備が出来てきた頃
自分からは仕掛けないと決めていた
あっちが勝てると思い込んで喧嘩を売ってきて
それをボコボコにしてやったら
どんなにあいつは屈辱的になるだろうか、と思ったからだ。
時は流れ、夏
奴は俺の事を馬鹿にしながらも喧嘩は売ってこなかった。
俺は明らかにマッチョになっていたし、怖くなったのかw
なんて考えていた。
しかし、この頃から事情が変わってきた。
ある自習の時間
いきなり、「テメェいいかげんにしろや!」って怒号が響いた途端、物凄い音がなった。
ヤンキーグループのトップ的な存在の奴がAをボコっていた。
怒号は近くのクラスにも聞こえ、すぐに先生が駆けつけて止められた。
そのヤンキーグループのトップ(B)は一週間ぐらい学校に来なかった。
恐らく停学だろう。
そこからAはまた俺をボコる前の状態に戻った。
それだけなら良かったのだが、
最悪な事が起こった。
なんとAは俺の悪い噂を広め始めたらしい。
それは、俺はBの彼女にアプローチしているというもの。
俺はまた呆れた。
まあ、そんなのBの彼女が否定するだろうしどうでも良かった。
まず、Bの彼女は誰か知らない。
しかし、Bは休み時間にBの彼女らしき人に確認していた。
「俺に付きまとわれてるってのはホントか?」
「え?俺君とメール?してるよ」
どういうことだ…?
俺は否定しにいった。
思えば女子と話かけたのは中学生以来。
「え?どういうこと?俺メールなんてしてないよ?」
「いやいやw隠さなくて良いからww別に俺君とメールするの嫌じゃないよwwでも、愛してる は正直引いたwwウチにはBがいるのに」
明らかにに隣のBが怒っている。
Bは振りかぶった。殴るのか
俺はとりあえずバックステップでかわす。
「絶対違うって!俺してないよ」
「マジで●すぞオラ!」
聞く耳を持とうとしない。
俺は戦う決心を決めた。
結果からいうと、俺は思ったより善戦した。
多分俺がそこまでやるとは思わなかったのだろう。
パンチはおっさんに比べて大振りすぎたし、
何よりワンパターンだった。
パンチをかわして空振った所に顔面に肘打ちを決めては
バックステップで素早く相手の攻撃範囲から逃げた。
三発目ぐらいで相手の顔面が血だらけになった。
もう一発って所で胸倉を掴まれ、
逃げられずもう片方の腕が襲いかかってきた。
俺もやり返したが力ではかなわず、
足をかけたが体格差がでかいので転ばない。
負けそうになっていた。
でも運良く途中で先生が来てから止められた。
俺は一週間の停学を食らった。
Bは退学させられそうだったらしいが、
土下座して許して貰ったらしい
そこまでするぐらいなら何故喧嘩したんだか。
皆の外見スペック
Bは武蔵みたいなタラコ唇身長170後半ぐらい
Aはヒョロいエイリアン
B彼女はブタ鼻だったなぁケツでかい
俺は身長161のチビオタク、今はVIPやりながらニート
おっさんは小太りで、174らしい。メールで聞いた。
また久しぶりに学校に来た時にBの彼女に確認をした。
「ねえ俺ホントにメールとかしてないよ?」
Bの彼女(C)「しつこい!別に良いって言ってんだから良いじゃん!昨日もメールして来たくせに」
俺「じゃあメール見せてくれる?」
見せて貰った。俺のアドレスは登録されてないみたいでアドレスがそのまま表示されていた。
しばらくボーッと見て俺は異変に気づいた。
アドレスが微妙に違う。
俺のアドレスは自分のローマ字-n三桁の数字@ドコモだったのが、
そのアドレスはnと数字の間に.が入っている。
「これ俺のアドレスじゃないよ」
自分の携帯を見せて確認させた。
そして、そのアドレスに空メールを送ってもらい、
素早くAの近くに行き耳をすませた。
振動音が微かに聞こえた。奴が携帯をチェックする。
俺は携帯を取り上げた。
A「ちょ、何すんだテメェ!!」
奴は俺を装ってCとメールをしていた。
恐らくサブアドを使って。
俺は我慢の限界だった。
「お前暇なときある?喧嘩するか?」
A「あん?お前ふざけてんのか?www」
A「まあ、サンドバッグにしてやるよwww」
やけに余裕こいてた。
Bにフルボッコだったくせに。
結局日時はAが決めて二週間後の夜。
場所は俺が決めて俺が練習している公園にした。
おっさんについに決戦の日が来たことを伝えた。
おっさんに物凄く激励された。
決戦の日
俺は三十分前に来て準備運動をした。
Aが来た。何故か2人の後輩?を引き連れて
俺「俺はお前と戦うんだけど」
A「あん?俺がタイマンできないとでも思ってんのか?コイツらは
ムービー係と審判だよ考えろよチビ」みたいな事を言ってきた。
1人はAの携帯を持って、もう1人はニヤニヤしながらこっちを見ている。
俺「わかっ バキッ!
いきなり殴られた。
俺もすぐに殴り返す。
正直Aは弱かった。
最初に打った肘打ちで怯み始め、前蹴りは腹にめり込んだ。
Aは倒れ込んだ。俺はもう戦意がなくなったと思い、
これ以上は攻撃しなかった。
そしたら近くにいた後輩(D)に思いっきり殴られた。
後輩Eも加勢してきた。
喧嘩強そうな奴等ではないが、A相手とはいえ疲れきっていたし、
何より2人なんて相手にできない。
俺は前の様にただ頭を抑えてうずくまる体制に入った。
しかし、そこでおっさんがトイレの裏から現れた。
「オーラ〝ラ〝ア〝ッ!!卑怯ヤナイガァッ///」
そして1人に思いっきりタックル
もう1人にはパンチの連打で圧倒した。
あとから聞いたがずっと見守ってたそうだ。
通報されないか心配だwとか言ってた。
俺はお姫様抱っこされおっさん宅に連れてかれた。
そして泊めてもらった。
口の中の傷が痛かったけど
唐揚げ旨かった。娘可愛すぎて勃起した。奥さんもよく見たら美人。
おっさんは俺の功績を2人に話した。
最初、「俺君すごーい☆」
だったが、話を一通り聞き終わったら今度は
「パパカッコいー☆」
だった。パパって呼ばれてるのか、けしからん。
寝てる間か何時の間にかアドレス帳におっさんのデータがあった。
今日までそしてメールをちょくちょく続け、かなり親睦を深めた。
明後日遊ぶ予定だ。