祖父の弟は一度も妻を娶らず、年老いてからは伯母が面倒を見た。
祖父の弟さんは身内大好きな人で、伯母も母も大変よくしてもらったらしい。
戦後の混乱期に会社を作ってそこそこ成功したらしく、子供を抱えた祖母を献身的に支えたそうだ。
だから恩には恩を信賞必罰を掲げる伯母は、自宅介護を希望する弟さんの要求をできるだけ呑んだ。
一代でのし上がった怪物らしく、微妙に人嫌いで我侭なんだそうだ。
母は事情があって介護を手伝えなかったそうだが、そこは弟さんの遺産を伯母が総取りすることで話がついていた。
当初弟さんを介護することにいい顔しなかった伯母の家族もそれで納得した。
しかし…