どこでもドアが欲しかった

やさしい彼が実は出会い系にはまっていた。その度に許していたが…

time 2016/11/17

やさしい彼が実は出会い系にはまっていた。その度に許していたが…

とても優しく、浮気なんて到底しそうもない彼男と付き合って3ヶ月くらいの頃。
チラホラと小さな嘘が目立つ様になり、問い詰めては誤魔化されが続く様になったある日。
事実確認がしたくなり、後で謝らないと・・・と思いつつ彼男がトイレに行ってる間に携帯を見る事に。
すると出るわ出るわ出会い系メールの数々。

『○○に住んでる21歳です☆近くに住んでる子メールしょ♪』
やら、写メ交換やらHメールやらお誘いまで。
しかも片っ端から送っているらしく、女の子の数は片手じゃ足りなかった。

幸い会ってはいない様だったが、ショックで全身が震え、背中がスーっとなるに反して顔が物凄く熱くなった。

トイレから戻ってきた彼男はすぐ様子のおかしい私子に気付く。
「どしたの?体調悪い?」
と背中をさすってきた。
普段なら心底心配してる優しい彼男、という風に見れたのだろうが・・・。
私子が
「嘘ついてる事、無い?」
と聞くと
「・・・えっ?」
と明らかに動揺しだした。
いや・・・とかどしたの・・・?とか言ってた。
「無いならいいんだ。ちょっと具合悪くなっちゃったから帰るね。」
と素っ気無く言うと、
「あ!!!!!!!!!私子、もしかして携帯見た?」
と。

わなわなしながら
「携帯見てごめんね、引いたでしょ、でも私はもっと引いたから帰るね。」
といって立ち上がろうとすると、何故か彼男が泣き出した。
「本当にごめん!!最近私子忙しくて、あんまり連絡取れなかったから寂しくて、もうしないから!!!!」
号泣しながら私子の背中に抱きつき羽交い絞めに。

初カレではないが、処女を捧げた相手で結婚しようなどと言っていた為、何か可哀想になり許してしまった。
今考えると若気の至り以外の何でもないが、当時は本気でこの人と結婚するんだ!とか思ってた。
この時点で別れていれば・・・と悔やむ。

それからアドレスを変え、電話帳に入っている女の名前を全て消し、次やったら別れると約束して付き合い続行。
半年過ぎた辺りで自分の親に会わせ、相手の親とも会い、同棲資金を貯めだした。
同時に彼男の就職が決まり、地元から車で1時間の田舎へ引っ越す事に。
私子は簡単に引っ越す事が出来ない事情があった為、中距離恋愛に。
「貯金が溜まって、私子の事情が落ち着いたら一緒に住もう。」とか言われて有頂天になっていた。
そこから私子が休みの度に往復4000円かけてバスで彼男の元へ通う様に。
彼男が休みの時は車で私子の所へきたり、遠くへ遊びにいったりした。
この辺で彼男が実はパチンカスであると知ったのだが、愛さえあればそんなの関係無い状態で流す。
ある時は朝から彼男の元へ行き、仕事に行っている間に掃除洗濯ご飯を作り、自分の仕事の前に地元へ帰る、という日もあった。
盲目な程尽くしていたと思う。が、そんな生活を始めて1ヶ月程でまた彼男の出会い系が再発。
またも大喧嘩→彼男号泣→許すのループが付き合っていた1年半で計3回程続いた。
結果、治らなかった訳ですが。
決まって彼男が言うのは
「寂しかったから」
「構ってくれないから」
「本当は四六時中メールしてたい」。

しかし上記の様に休みや空いた時間は全て彼男に使っていた為、これ以上どうすればいいのかわからない。
それを伝えると、下を向いて何も喋らなくなる。喧嘩の度にこうだった。
既に共依存になっていたんだと思う。

そんな別れたくない、でも別れないと・・・と悩む日々が続いた。

ある日…

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