どこでもドアが欲しかった

真冬の真夜中に、窓を全て開けっ放しで家族が無表情で固まりあっていたので…

time 2016/11/18

真冬の真夜中に、窓を全て開けっ放しで家族が無表情で固まりあっていたので…

「記憶がないならないほうがいいんじゃないか??」とか祖父が言ってたのですが、
叔父は「こいつには何があったか話しておかんとならん。まだ犯人も捕まってないし、
1週間後にまた警察の人が来るだろう」ってな具合で叔父から全貌を聞いた。
僕の家族は1月1日に何者かの放火にあって全焼したようです。

僕はたまたまコンビニに行っていたので、助かったみたいなんですが、
犯人と思われる人を見たために、後頭部を殴られ、全身をバットかなんかで
めったうちにされて、記憶を失ってしまったそうです。

搬送先の病院でずっと生死をさまよった後、回復してから叔父の家に引き取られたそうです。
そして今は3月…2ヶ月も記憶を失ったまま、リハビリを続け、
たった今、記憶が戻ったとのことでした。

僕は号泣しました…。いっぺんに大切なものを失ったのを、2ヶ月も過ぎてから
分かり、ただただ泣きじゃくる顔を、祖父母と叔父に見られていました。
叔父は黙って目を反らしていましたが、祖父母たちももらい泣きして、わんわん泣き続けていました。

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