もう10年くらい前なんだけど、部活の中で派閥が出来てしまった事があった。
全然タイプが違う同級生の女子二人がいて後輩の間で
「○○先輩の方が上手い!」
と意見が真っ二つになり、男女混合だった部活の女子だけが不仲になった。
(男子は人数が少なかったのもあって下手に口出すと、ものすごい勢いで噛みつかれるので関わろうとしてなかった)
始末の悪い事に、片方(以下A)が後輩達にちやほやされて調子に乗ったのか、もう片方(以下B)をけなし始めてしまった。
私の方が上手い、というだけではなく服装や持っている物、携帯の機種までダサイダサイと言いがかりを付けて後輩に
「その通りですよ!」と言わせていた。
おまけに男子がなだめようとしたら
「Bの味方すんの?」と睨み付けていた。
一方Bの方はというとおとなしめでAをあまり相手にしてなかった。
腹は立たないのか、と尋ねたら
「腹が立たないわけではないけど、中学の頃いじめられててとても辛かったから、人の悪口は言わないようにしている」
と本人から聞いた。
実際Aをけなした事は無かったし、後輩が
「A先輩が○○って言ってましたよ!」
と言っても、怒る事もなく
「ああ、そう。ほっときなさい」
程度の反応しかしてなかった。
Bは後輩にもベタベタ絡んでいくタイプではなかったけど、何かと後輩の面倒を見ていたので人気は高かった(色々「いい話」的なエピソードがある)
Aは後輩も友達!という付き合い方で、一緒になって遊ぶ事はあったみたいだが先輩として相談に乗ったりはしていなかったらしい。
もうどっちが人間として上かは一目瞭然だったんだけど。
2月に入ってバレンタインが近くなった頃、女子達が部活仲間にとチョコを持ってくるようになった。
そしてある日、AとBは手作りチョコを持ってきた。
誰かに渡すというのではなく、タッパーにたくさん入れて置いとくから勝手に食べろというスタイルだったんだけど…
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大体見当は付くと思うけど、Aのチョコは全く減らなかった。
BのチョコはA曰く
「セットを買って溶かして固めただけの安物w」
だったらしいが、B派の後輩はもちろん男子からも好評で
あっという間に無くなっていった。
(Aのは多少手の込んだガトーショコラとかブラウニーだった)
Aはカンカンになって男子達に
「何で私のチョコ食べないの!?私の方が美味しいのに!」
と詰め寄ったが、男子達に呆られながら
「人の陰口言ってギャハギャハ笑って、俺らが何か言ったら
『Bの味方すんの』って怒鳴ってくる女子のチョコなんか食わねえよ」と
言い返されて撃沈してた。
二年生の2月にこの事件?があったんだけど、
三年になったらこんな目に遭ったっていうのになぜかAの増長が酷くなって、
元々そうやって人を侮る所があったのか、
「私はBより上手い!」→「私は天才!」
と思い込み、
「天才だから必要以上に練習はしない!」と
最低限の練習しかしないようになった。
※もちろん天才級ではなくあくまでも高校の部活レベル
Bは部活命!というタイプでは無かった(むしろドライな方だった)けど、
後輩や同級生に付き合って残って練習したり、
「気になる所がある」
と自主的に残って練習したり…を繰り返している内に上達していったので、
A派の後輩も「あれ…?」と思うようになったらしく、
派閥はグダグダになっていった。
Aは大して付き合いの無かった私にまで
「私達友達だよねっ」と言うようになっていたけど
「『私天才だから』って言うのは勝手だけど、残って練習してる私達を
馬鹿にする人とは友達じゃない」と断った。
(「残って練習しなきゃ上手くなれない下手くそpgr(要約)」と
聞こえるように言ってきた事があった)
そして卒業式を迎えた頃、Bの所に沢山の後輩が駆け寄る中、
Aの所にはAこそ正義、Aは神様!というちょっとヤバそうな子一人だけが
駆け寄っていった。
ヤバそうな子はAに優しくしてもらって惚れ込んでしまったらしく、
Bは敵としか思ってなかった。
Bに優しくされても「敵に施しは受けない!」とか漫画みたいな事言って断ったり、
同級生からあんたおかしいよ、と言われても「私は正常、Bが好きなお前達が異常!」と
人をキチ扱いしたりでのめり込んでた。
ヤバそうな子が入部してきた当初、一番面倒を見てた私の立場は一体…と思ったが
ああならなくて良かった!と思う事にした。