どこでもドアが欲しかった

自由人Aは大学時代の友人たちみんなの憧れだった。しかし…

time 2016/11/20

自由人Aは大学時代の友人たちみんなの憧れだった。しかし…

7年後、Aが●んだと連絡が来た。
麻薬の過剰摂取か何かで●んだらしい。
遺体は兄弟が引き取りに行ったとか。
葬式はなかった。
なんとなくAを偲ぶ会のような飲み会が開催され、7年ぶりに俺も参加した。

そこで知ったが、俺の知らない7年間で、Aはさらに5組の夫婦を離婚させてたらしい。
通算7組。
Aは顔が広かったから、大学の仲間以外のつながりでもっとやらかしていた可能性は大だった。
「Aが●んで、日本の離婚率がさがるぞ」
と笑顔で乾杯した幹事もAによって離婚したうちの1人だった。

さらに数年経過した頃、かつての仲間数人がA家の墓を壊して、小さい記事だが新聞に載った。
離婚した7組のうち、3人が酔ってやらかしたらしい。
「動機は昔の怨恨」
とだけ載っていた。

今は大学時代の友人と会うことはなく、墓荒らしの続報も聞けない。
だがあの時Aを泊めなくて本当に良かったと思う。

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