最初はすごい巻き舌を駆使した英語で喋りはじめたものの、相手の白人留学生に聞き返されると、オドオドゴニョゴニョ、
「あーはん・・・」とか「うぇる・・・」を連発していた。
英語できない俺から見ても、喋れていない。
その時、そいつの横にいた友人Bを見て、びっくりした。
ものすごい流暢な英語で喋りまくり、相手の留学生と大変盛り上がっている。
俺からすればネイティブと遜色ないレベルの英語に聴こえたし、コミュニケーションの取り方もとても自然だった。
Aもそいつの方をチラチラ見て気にしているようだった。
後で、 Aのいる場でみんなでBを
「お前すげーな」
と囲んだところ、Bはその時に初めて自分が10歳までアメリカに住んでいた帰国子女であること、今でも一年に一回は当時の友人を訪ねていることを控えめに教えてくれた。
日本語もペラペラだし、何よりAの自慢話を聞いていても黙って相槌を売っているだけのヤツだったから、びっくりした。
きっとAは恥ずかしかったんだろうな、その後は痛い言動は控えめになった。
俺はただの英語もできない貧乏で外国も行けないダサ学生だったが、Bのおかげでスッキリした・・・という他人の武勇伝でした。