「大丈夫だよ。結婚生活と勉強の両立がつらくなったら、学校はいつでもやめればいいんだよ。
医者以外の仕事で働くのが嫌だというのなら、楽はさせてあげられないかもしれないけど、仕事はしないで専業主婦になってもいいよ。
というか、僕も今までは仕事ばかりしてきて、結婚を意識することは少なかったんだけど、友達や会社の人の話を聞くと、子どもっていいなって最近よく思うんだ。
だから、結婚するからには、子どももほしいよね。
卒業するのを待ってからの出産だと高齢出産になっちゃうから、やっぱり、子どもができたら学校はやめたほうがいいと思うな。
そもそも、勉強したいって言うけど、治らないから難病なんだよね。
今まで何人もの医者が研究して、誰も治療法を見つけられていないなら、難しいんじゃないのかな。
そんなことよりも、自分の手に入れられる幸せを追い求めるほうがいいんじゃないのかな。」
今までの彼からは考えられない言葉でした。
同時に、病気が発症して、進行していたときの不安な気持ち。
主治医に、難病宣告されたときの気持ち。
どれだけ治療を続けても、ちっともよくならなくていらいらしていた頃の気持ち。
会社をやめようか、やめていいのか、やめたとしても、もし合格しなかったら、難病患者の自分が再就職できるのか、できないんじゃないのかと悩んだ気持ち。
大学合格を目指して、毎日毎日必死で勉強していた頃の気持ち。
今までのいろいろな感情が一気に頭を駆け巡って、
それを「学校をやめたほうがいい」で片づけた彼に対して一気に冷めてしまいました。
好きな気持ちもなくなってしまった。もう会うことはないと思うと伝えたら、
「話も合って楽しくて好きになった人と結婚したいと思うことがいけないことなのか。
結婚したいほど好きな人との子どもがほしいと思うことはいけないことなのか。
どうして分かってくれないのか。
俺と、治りもしない病気の勉強をすることとどちらが大事なのか。」
と食い下がられて、しばらくは大変でしたけど、結局、どうして私が冷めたのかはわかってもらえませんでした。
彼に告白されたのがちょうどこの時期だったので、なんだか思い出してしまったので書いてしまいました。