実家の庭にはちょっとしたブランコがある。
一人っ子の俺のために今は亡き父が作ってくれたものなんだが、先日成人したもんでもうブランコで遊ぶ歳ではない。
だけど父の作ってくれたブランコということで今でも大切にしている。
しかし先日、耳を疑うようなことが起きた…
向かいに大家族が引っ越してきたんだが、うちのブランコに目をつけたらしく、兄弟で取り合うようにブランコに乗る・泥のついた靴で立って乗る・中学生の兄弟組なんかは速度を求めてるのか凄まじい音を立ててる。
うちの庭は柵とかがないので仕方ないかと、ブランコが壊れるのを見たくないし母親と相談してしまうことにした。
すると、そこの大家族の父親が『子供達が気に入ってるみたいなのであのブランコを譲ってくれないか』と訪ねてきた。
正直、あんな乗り方してくる兄弟に誰が譲るかと思ってしまったもんで、父親の形見だからということで引き下がってもらおうとした。
そしたら…
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『うちはお金がないから~』みたいな不幸自慢?な話が始まったかと思うと
『息子さんは成人したんでしょ?ならうちの子達に譲ってもいいじゃないですか。
ご主人も天国から賛成してくれると思いますよ。』と言われた。
母さんが俺を産んだあとに子供を産めない身体になっちゃって、兄弟をつくってあげることが出来ないからと自身の手にいっぱい傷をつくりながら何日もかけて仕上げてくれた代物なんだぞ。
お前達は兄弟いっぱいいるんだからいいじゃねえか…orz
とりあえずブランコは、何年先になるか分からんけどそれまでしまっておくことにした。
…と言ってもどう保存するのがベストなのか分からないので専門の人に聞いてから慎重にしまおうと思う。
それで誰かが言ってたように、いつか倉庫から引っ張り出せる日がくればいいな。
さっき母ちゃんが、大家族じゃなくて俺みたいな一人っ子の家族だったらちょっと考えたかもと言っていた。
そしてブランコをしまおうと決定したときの母ちゃんのちょっと悲しそうな顔が頭から離れん。