まだ携帯電話が普及する前の話。
乳飲み子抱えて主婦していたある冬に、当時の友人に騙されて見知らぬ河川敷に車で連れて行かれ、そこで借金の申し込みをされた時が修羅場だった。
元友人は、能面みたいな顔で言ったんだ。「貸すまで帰さない」と。
周りは車も通らないし見渡す限り家は無いし、電車の音なんかも聞こえない。
そんな中に人を騙してまで連れてきた元友人の中に狂気じみた物を見た気がして、恐怖からか寒さのせいなのか震えたのを覚えてる。
何より子どもに何かされないか、寒空の下に長く居ては風邪を引かせてしまわないか、そればかり気になってアッサリとお金を貸してしまった。
と言っても、帰りに支払う予定だった光熱費の3万だけだけど。
しかし…