どこでもドアが欲しかった

家族で超混雑の新幹線に乗車→やっと降りると嫁が呆然と俺を見ている→結果…

time 2016/11/24

家族で超混雑の新幹線に乗車→やっと降りると嫁が呆然と俺を見ている→結果…

乗り込む人波に押し戻されて、通路に押し込まれる長男が見えた。
そのままドアが閉まり、新幹線は発車してしまった。

呆然としたあと、我に返り駅員に事情を話し、社内アナウンスを頼んで、次の停車駅に鉄道警察の人を手配してもらった。
迎えに来た嫁両親に、泣いている嫁と長旅と人酔いでぐったりしている次男を預け俺が駅長室で待機。

ところが次の停車駅で鉄道警察官が新幹線に乗り込んだが、長男がいない。
その連絡を受けた時、気が狂いそうだった。
非難されるだろうが、赤の他人の妊婦さんを庇わずに長男も抱っこすれば良かったと思った。

なんで新幹線から子供が消えるなんて事が起きるのか。
まさか荷物か何かに入れられて誘拐された?とまで思った。
ただでさえ、本来と違うダイヤルの列車が何本も走っていて混乱している状況で、駅長室の中は電話が鳴りっぱなしだった。

そのうち一本の電話をとった駅員が「お子さん見つかりました」と言った。
長男は、新幹線内の電話の会話を聞いて
降りる駅を乗り過ごしたら、次の駅で降りて引き返す、という方法をインプットしたらしく
新幹線が次の駅についた時に、一人で降りて、反対車線に目的地行きの新幹線が止まっているのを見て
一人で乗り込んだらしい。
で、混乱で車内で切符を確かめられることもなく自力で駅に戻ってきていた。
駅に着いたは良いが、長男の切符は俺が持っていて、改札を出られない長男が駅員に事情を話し
改札から駅長室に電話が入った。

嫁の携帯に「長男が見つかったぞ」と連絡すると嫁号泣。
駅員に手を引かれ、駅長室に来た長男を見たら俺も号泣。
号泣しながら何度も長男に謝った。

長男と嫁がはぐれた経緯は
がっちり手を繋いでいたが、後ろからの波に手が解ける。
嫁咄嗟に長男のリュックを掴む、気がつくとリュックだけ持ってた。
嫁は俺が次男を抱っこしながら、片手で誰かの手を掴んでいるのを見て
俺が長男と手を繋いでいると思ったらしい。
無茶苦茶な人ごみで、誰と手をつないでいるのかまではわからなかった。
長男は、嫁とはぐれたあと、降り口付近の壁に押し付けられた状態で
気がつくと人が乗ってきて、通路まで押し戻された。
窓越しに俺たちを見つけ、なんとか駅に戻ろうした。
車内でアナウンスがかかってたのは知っていたが、あちこちで
電話をかける声で何といっているか聞こえなかった。
という事だった。

協力してくださった駅員さんや、鉄道警察の方にお礼を言い
嫁両親の車の中で待っていた、嫁のところの戻ると
嫁も嫁両親も号泣。
つられて寝ていた次男も号泣。
母親の顔を見て、それまで泣いてなかった長男も号泣。

今まで生きてきて、膝がガクガクするほどの恐怖ってあの時だけだ。

(Visited 1,680 times, 1 visits today)

down

コメントする

シェアする

  • 人気記事

  • 最近の投稿

  • 最近のコメント

  • アーカイブ

  • カテゴリー

  • メタ情報

  •