先生は15歳年上のいとこと同窓生で親友だったんだが、それがわかったのは私が高校生になったばかりの時、いとこの通夜での席だった。
当時はいとこの死因は
「もとから心臓が悪く薬を飲んでいたが、突然の発作で薬を過剰に摂取してしまったことが原因」
と説明されていた。
しかし、よくよく考えるといとこの心臓が悪いなんて話は聞いたことないし、たしかスキーのお土産とかもくれたはず。
なによりいとこは医療従事者だった。
いくら慌てていたとはいえ仮にも専門家がそんな死に方をするのか?
とおかしな感じはしたが誰に尋ねるわけにもいかず、なるべく気にしないようにしていた。
それから4年後、成人式の後に中学の同窓会を開くことになり、当時の先生方も参加してくださることになった。
当日用事があり少し遅れて会場に入り、友人とあいさつしていのだが、いきなり背後からビールをかけられた。
びっくりして振り返ったら先生がすごい形相で立っていて、
「この人コロし!」
「阿婆擦れ!」
「おまえのせいでいとこちゃんは死んだんだ!」
と罵られた。
私も含めその場にいた全員突然のことで固まってしまってたが、先生がグラスを持った手を振り上げたとき、男性陣が先生を後ろから羽交い絞めにして抑えてくれた。
それでも私は固まったままで、友人と騒ぎをきいて駆けつけてくれた店員さんに連れられて他の座敷に避難したところでようやく我に返った。
とりあえず両親に連絡して迎えに来てもらったが、待っている間ずっと先生の怒鳴り声が聞こえてきた。
次の日、その場にいたもう一人の先生から謝罪の場を設けたいと連絡があり、両親と一緒にその場に赴いた。
すると本人はいなかったが、連絡をくれた先生、先生のご両親、同窓会の幹事がいた。
幹事も先生に呼ばれたらしい。
ご両親は「娘が申し訳ない」というんだが理由を尋ねると口ごもる。
知らないという感じではなく、言いにくいみたいな感じで先生と幹事を何回も見て。
それに気づいた先生が幹事を連れて席を移ってくれてようやく理由を話してくれた。
そこで聞いた驚くべき理由とは…