私子は以前付き合っていた元彼と音信不通になり、あまりもショックでそれから恋愛に億劫になっていた。
でも、このままじゃいけないと思い、積極的に合コンや、出会いの場に自ら赴くようになった。
そんな中、ある合コンで彼男と出会った。
背が高くすらっとした体格に、目鼻立ちがくっきりした、いかにも爽やかな人だった。
話していくうちに、気も合い、優しい彼男に私子は惹かれていき、やがて2人でデートを重ね付き合うようになった。
彼男は私子が以前、元彼と音信不通になり酷く傷ついたことや、
男性不信になりつつあるのを受け止めてくれて「俺は大丈夫だよ」と優しく接してくれた。
メールも小まめに返し、毎日のように電話をくれる彼男に、私子は徐々に彼男ならきっと安心できる。そう思うようになっていた。
しかし、ある日、私子は彼男にいきなり「もう終わりにしよう」とメールで別れを告げられた。
その日は、女友達の家に泊まっていたが、突然の別れに戸惑い、彼に電話した。
私子は、やっと信じられる人を見つけたのに何故と彼男に訊ねたが、「ごめん」としか返さない彼男。
でも、ここまで信用でき自分を受け入れてくれる人が初めてだった私子はせめて、
友達として関係を続けたいと彼男にお願いし彼男もそれを承諾した。
それ以来、デートはないものの、メールでお互いの近状を話したりと関係は続いた。
しかし、元は恋人同士。友達としてのメールなのかという若干分からない内容もあったりした。
そんな関係が半年近く経った時、なんとなくこれが最後のメールになるだろうな、という予感がした。
結果は的中。彼男とのメールはこれが最後となった。
いつものようなメールは。
それから一か月ほど経ったある日、私子の携帯が鳴った…