どこでもドアが欲しかった

母が事故で入院。彼女とのデートをキャンセルして病院に行こうとすると…

time 2016/11/26

母が事故で入院。彼女とのデートをキャンセルして病院に行こうとすると…

俺が何か言う前にいきなり叩かれ、「どういうつもり!」と怒鳴られました。
どういうつもりも何も、親が入院したから行かなきゃいけないんだと言ったら
「事故したって、あんたが行ったら助かるの?どうせ何もできることはないのに
なんで行くの?私はあんたに行かれたらトラウマが再発して苦しむのに
母親と私どっちを優先すべきかちょっと考えたらわからないの?」
という感じのことをものすごい早口でまくし立てられながら、
駅の外にひきずり出されました。
彼女は華奢で背も低くて普段は弱々しくて守ってやりたい感じだったのに、
腕がねじ切れるかと思うほどの力でつかまれ、目つきもふだんと違っていて、
これは逆らっちゃいけないと思い仕方なく彼女の言うまま車に乗りました。

車に乗り込むと彼女の部屋まで連れて行かれ、部屋に入った途端
突き飛ばされ脚を蹴られました。
振り向いて見た顔はまさに鬼、般若としか言いようのない形相でした。
リアルで女の人がそんな顔をしているのを見たのは、初めてでした。なんというか、
グサグサと怒りの矢がこっちに飛んできて突き刺さるような感じで、
部屋はすごく暑かったのに鳥肌が立って寒気がして身が縮むような感覚がしました。
俺が何か言おうとすると「うるさい!」と怒鳴られ、爪を立てて平手打ちされるので
話し合いはできないし顔は血がにじんでズキズキするし母親のことは気になるしで
どうしていいか困っていたら、玄関のチャイムが鳴りました。
途端に彼女が泣きだし、ワーワー泣きながらドアを開けました。

そこに立っていたのは、

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