どこでもドアが欲しかった

親に『同性愛者』であることをカミングアウトしようとしていた矢先 → 既婚姉『話がある。実家に来い』→ 衝撃の事実が発覚…

time 2016/11/28

親に『同性愛者』であることをカミングアウトしようとしていた矢先 → 既婚姉『話がある。実家に来い』→ 衝撃の事実が発覚…

デキてしまっていたということらしい。

家族会議は淡々粛々と終了した。 
実父は離婚、義父は修復と一応の結論が出たんだが、話し合いの中身はほとんど覚えてない。 
血筋なのかとか、オレのこと話したら実母はどう思うとか、育て方を間違えたとか生むんじゃなかったとか、それこそジサツとかも考えるんじゃないかとか。 
オレは仕事の関係でそのまま帰ったんだが、姉夫婦はそれぞれの実家に戻ってさらに話し合ったらしい。 
以下は姉からの伝聞。

「申し訳ない。離婚の条件は全部呑むから。何でも言ってくれ。」 
いつからなの? 
「半年ほど前からだ。」 
義父さんとじゃなくて、ずっと私をだましてたの? 
「いや…あいつと一緒に出かけるようになってからだよ、気が付いたのは。」 
「あいつじゃなきゃ…ダメなんだ…すまん…」 
もう50にもなろうかって男に泣きながらそう言われたら、実母も何も言えなくなったらしい。 
一緒に泣いてたって。複雑な涙だったろうと思う。 

実父はすぐに家を出たんだが、どんな形で離婚が成立したかは今でも聞いてないからわからない。

義父さんの方はやはり修復が前提で話が進んだとか。義母さんが意志を押し通したらしい。。 
実父とは別れること。携帯なんかの連絡先も消すこと。今までのメールなどのやりとりもすべて消すこと。 
絶対に離婚はしない。 

その後の義父の憔悴っぷりは半端なかったらしい。 
目に見えて痩せていくし、どこを見ているのかわからないくらい眼に力がない、なんだかぼんやりしている、など。 

寝言で実父に詫びているのを聞いて義母さんが折れたらしく、実母に連絡してきた。「実父さんの連絡先を教えてあげたいの。」 
オレも実母の運転手として義実家に行くことになった。

ぼんやりしていた義父さん、実母に電話番号を渡されても無反応だったんだけど、義母さんが「逢いたいんでしょ?」 

と言うと表情が動いた。 
「電話しなさいよ。」 
いいの? 
「逢いたいんでしょ?」 
うん。 

泣きながら電話してた。

しばらくして義父さんも離婚して、実父と同棲を始めた。 
何となく家族には内緒にして時々会いに行ってるんだが、今でも新婚家庭みたいでイラっとくるけど、それが羨ましいやら微笑ましいやら、複雑だ。なんだこれ。 
実母たちは変に結束力を高めてしまったらしく、よく一緒に遊んだり飲んだりしてる。 
実家に帰ると義母さんが泊まってたりするんだが、なんで2人してオレのパジャマを着てるんだよ? 

結局オレは両親に何も話せないまま数年が過ぎてしまった。最近一緒に住み始めたからそのうちバレるかもしれないけど。

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