養母が亡くなったと電話が来た。
この養母は親戚でも何でもなく、実家から徒歩10分位のところに住む血のつながりのない女性。
お子さんが二人いたんだけど一人は亡くなり、一人は大学生になり巣立って、今で言う空きの巣症候群になっていた。
その女性に、両親は
「産んだはいいが両親ともに忙しく育てられない子=私」
を預けた。
必要経費は両親が全額負担で、プラスいくらか謝礼。
私は小学1年になるまで養母の家にいて、親が会いに通って来てた。
小学1年からは実家から学校へ行く→養母の家に帰宅する→夕飯食べて家に帰って寝るという生活をしていた。
高学年からは塾へ行くようになり、養母の家へは遊びに行く程度になった。
血はつながってないんだけど、大人になってからも実母より養母の方が近しい存在だった。
別に実母が嫌いなわけじゃないが、やっぱり育ててくれた人は養母だという思いがああった。
結婚する時も夫に養母に会ってもらった。
勿論結婚式にも招待した。
私はその後故郷を離れ、新幹線の距離になってしまったが、帰省したら必ず養母に会っていた。
その養母が亡くなったと報せが来たのが今金曜の午前。
私は土日休みなんだけれど、日曜が友引でお葬式は月曜になるという。
夫に電話し
「養母が亡くなったので新幹線の切符をとって、土曜朝に発つ」
と言うと夫は
「休んでまで行かなきゃいけないこと?本当の親でもないのに」
という反応だった。
お香典も交通費も私の給与から出すのに
「香典いくら出すの?そんなに?!新幹線高いのに、香典まで…」
とグチグチ。
「お前を育てたっていうけどお金もらってやってたんでしょ?ただの商売じゃん」が夫の言い分だけど
他人の子供を無償で育てるなんてあり得ないよ…。
それに保育園やベビーシッターなんかよりずっと安く好意で預かってくれていた。
私が病気した時も、扁桃腺が悪化して手術した時もついていてくれたのは養母だった。
その養母のお葬式に行かないなんて選択肢はない。
でも夫を無視して勝手に行くのは気が引けたから、帰ってから話し合って、夫に納得してもらって憂いなく発とうとその旨メールしておいた。
上司に事情を話し、月曜の休みを申請して許可もらって、残業なしで帰宅。
夫、帰ってこず。
20:00過ぎに
「俺の意見は変わらない。オールして友人宅へ泊まる」
とメールが来た。
どっと疲れた。
夫を待っていたら発車時刻に間に合わないので置手紙して、いま新幹線の中にいる。
養母の死を悼みたいのに、複雑な感情でぐちゃぐちゃしている。