どこでもドアが欲しかった

のらりくらりと結婚話を引き延ばす彼。ある日、彼について衝撃の事実が…

time 2016/11/30

のらりくらりと結婚話を引き延ばす彼。ある日、彼について衝撃の事実が…

私と彼男とは、大学時代に友人の紹介で出会いました。
地元でCラン大学の私と、地元でAラン高専→Aラン大学編入→院へ進んだエリートの彼男。
しかも私が大ファンな斎木しげるに似ていました。
すぐさまポーっとなってしまい、付き合い、社会人になってからも交際は続きました。

社会人になって数年たち、結婚話が持ち上がりました。
うちの親と彼の親と、私たちの顔見せ&挨拶のための食事会が催されることになりました。
だけど数日前になって、彼男から
「親が結婚に反対している。食事会は延期してもらえないか」
という連絡が入りました。

それまでもずっと彼男から、
彼男の父=自営業のワンマン頑固オヤジ。横暴。大酒飲み。
彼男の母=夫にいつも泣かされている人。けなげな良妻賢母。
という話は聞いていたので、
ああ私、彼男父に気に入られなかったのか…Cラン大卒のアホだしな…と落ち込みながらも納得し
彼男の「かならず親を説得するから」
という言葉を信じ、
婚約を延期しました。

だけどそれから何年たっても、私と彼男の結婚話は進みませんでした。


その間にも彼男から
「オヤジがまたおかんを殴った」
「借金の保証人になったツケがいつまでも返せない」
「オヤジを殴ってやりたいが、あんなやつでも親だ。恩があるからできない」
という話をよく聞かされていて、
このお義父さんがいる限り、彼とは結婚できないのかな…とぼんやり諦めの境地に達しつつありました。

そんな日々を送りつつ、私はある企画にかかわり、他社の人と合同でチームを組んで
一緒に仕事することになりました。
仕事に忙殺されるうち彼男へのメール返信がややおざなりになりました。
でも企画がどれだけ殺人的スケジュールかは事前に説明して納得してもらっていたので
終わったら埋め合わせして、結婚話も今度こそ進めようと思っていました。

そしてやっと企画が終わり、盛大な打ち上げパーティが催されました。
お酒が入り、それまでろくに私語を交わしたことのない他社の社員さんたちとも
はじめて打ち解けて話しました。
そこでA男さんが、高専→大学ルートで、彼男と一緒だったことがわかりました。

私「じゃあ彼男って知ってますか?」
A男「知ってる!××(地名)のやつだろ?」
私「そうそう」
A男「マザコンで有名だったやつ!あいつまだ独身なんじゃない?あれじゃ一生結婚できないだろ!」
私「え?」
A男「今でもママンに貢いでんの?あれもう病気だよな!」
私「え?え?」

お酒が入っていたこともあり口の軽かったA男さんに、同じくお酒の勢いでつめよる私。
A男さんの話によると、彼男父の借金癖やDVなどは全部嘘、むしろ地元で評判の高い良心的な自営業社長でした。

でも彼男は幼い頃から母を独占して育ったせいか(彼父は出張が多く、多忙期はほとんどそばにいなかったそうです)
立派なマザコンに育ち、不況になってよく家にいるようになった夫に母親は喜んだのに、彼は毎日帰ってくる父親に猛反発。
成績が良かったこともあり、寮のある高専に進学してしばらく自宅と絶縁していたんだそうです。
でも母に泣かれて絶縁は解き、父とはぎくしゃくした関係が続く。
そんな中、彼母がほぼ二十年ぶりの懐妊。
夫婦は狂喜したが、彼は激怒。二度目の絶縁。
この頃に私と出会う。

彼両親の間に生まれた弟がかわいいので、また彼は絶縁を解き、父を無視しながら実家とつきあい再開。
でも私のことは親には告げず、ずっと彼女はいないことになっていたそうです。
このへんのことは全部あとからわかった話。

ひさびさに彼男と会えた私は、彼男の部屋でまず
「A男と会って、彼男の家のこと聞いたんだけど…」
と馬鹿正直に発言してしまいました。
「彼男お父さんがひどい人だなんて、どうしてそんな嘘ついたの」
言い終わらないうち…

(Visited 12,509 times, 1 visits today)

down

コメントする

シェアする

  • 人気記事

  • 最近の投稿

  • 最近のコメント

  • アーカイブ

  • カテゴリー

  • メタ情報

  •