22で結婚してすぐに娘ができた。
27になった時に義母の調子が悪くなり、同居することになった。
仕事も順調に娘も優しい子に育ってくれた。
だんだん義父が夫婦や娘の事に口を出すようになったので、その頃から義父と言い争う様になって険悪になった。
ある日、娘の誕生日について大喧嘩になった
娘の誕生日は平日だったので、俺が早めに帰って一緒にやることにしていたのに、義父は昼下がりから俺以外で外食してお祝いして、大きなケーキを食べていた。
何も知らない俺は、誕生日ケーキを買って帰ったが、娘から
「おじいちゃんからもっとおいしいケーキ貰ったよ。みんな祝ってくれたのになぜパパは私より仕事が大事なんだよね。こんなケーキ要らない、こんなパパはいらない」
朝起きたら、包装されたままのケーキとプレゼントがごみ箱に捨てられていた。
出勤途中も涙が止まらなかった。
義父に何度も夫婦のやり方に干渉してほしくない、それができないなら別居すると話していた。
次の日、義父から妻が署名した離婚届を押し付けられて、
「やっと娘の目が覚めた、お前は早く出ていけ」
妻に話をすると、父は言いだすと言う事を聞かないから無視しとけばいいと。
俺の気持ちに無頓着過ぎて醒めて行ったし、娘は俺の事を役に立たない、いなくてもいいと言い出すし、悲しすぎて仕事に自分の存在意義を求めるようになった。
新子会社の役員に抜擢する話があって、受けると出世するが転勤が必至で、今のままでは転勤するわけもいかずと悩んでいた。
俺の誕生日の朝、妻が料理作って待っているから、早く帰ってきてと言われて帰ってみると、家は真っ暗で、わざとその日に2ヶ月後の義父の退職祝いを俺抜きでやっていたらしい。
妻に文句言うと、父もあと20年くらいしか生きないのだから、それまで我慢しろってさ。
娘の成長も祝えない、自分の事も祝ってくれないのに悲しくなった。
毎朝、俺の食事だけが俺の書斎に用意されて、晩飯も書斎に置かれていた。
俺は自分の為に生きようと考えて、子会社の役員と転勤を受け入れ、家庭の事情を説明した。
子会社に移動日に、義父から押し付けられた離婚届を提出し、長期出張と言って家を出た。
俺が使っていた箪笥に、妻、娘、義父宛に手紙を書いて出て行っていた。
その後…