肩をゆさゆさ揺されて、
「ねえ!何か言われたの?何言われたの?言いなさい!」
と、今までにない怖い顔で言われてしまった。
言われた内容をつっかえつっかえ、説明したら、育ての母は、手を離して、優しく撫でてくれた。
「ごめん、そうだったんだ。ごめんね、ごめん」と、なぜか何度も謝られた。
夜に、父が帰ってきたあと、リビングに集まって話し合いをした。
父に、
「お前に、お母さんに内緒で、おもちゃを買ってやるといったんだ。だから、お父さんの言うとおりに、大人の前で言えと約束させた。」
と、言われた。
なんだそれ、私の人生と、生みの母の人生、おもちゃで狂わされたのかよとガックリした。
「ほら、○○の変身セット、あれだ。」
あ、確かに…当時流行っていた、魔法少女の変身セットのおもちゃを買ってもらって大喜びした覚えはある。
けど、本当に、その前後が全然思い出せない。
そんな強烈な記憶なのに…。
育ての母は、下を向きながら白状した。