私子「誰ですかー?」
謎の女声「……か…」
私子「え?誰ですか?」
謎の女声「てめーか糞女!!!!」
私子「え…え……(戸惑いすぎて声が出ない)」
浮美「あたしぃ、浮子ってゆーの!彼男の女なんだけど、あんたセフレか何か??」
私子「こ、恋人ですけど…」
浮美「はっ!?笑っちゃーう!バッカじゃないの!?てめーは遊びだって彼男が言ってたよ~」
私子「婚約してますけど…」
浮美「あ゛?妄想がすごい女の言うことってマジ怖いんだけどー!超必死!
とにかくあんたマジ迷惑だから消えてよね!!!」
乱暴に電話が切られてしばらく事態が飲み込めず呆然としてると、メール着信音が鳴った。
知らないアドレスからだった。
本文に【タヒね】と書かれており、
添付画像にラブホでタバコ吸ってる彼男が写ってる写メが添付されていた。
連続で何通もメールが来て、
その全てに何枚もの彼男の裸の写メやちゅープリなどが添付されていた。
ただひたすら事態が飲み込めなくて、
なさけないことに携帯握り締めたままぼーっとするしか出来なかった。
しばらくして彼男が帰って来た。
彼男「あれ?私子まだ起きてたの?」
私子「う、ん(喉が詰まってうまく声が出ない)」
彼男「どうした?具合でも悪いか?」
私子「あの、ね。話したいことがあって待ってたの。」
彼男「ん?」
私子「実は…生理が遅れてて最近具合も悪くて、今日婦人科に行ってきたの。
赤ちゃん出来てた。3ヶ月だって」
私子が彼男の浮気を知ったのは、妊娠した事を伝えようと思った日だった。
子供は結婚式挙げてからね、と二人で話してたのだが
先々月に一度だけゴムが破れてしまったことがあり、おそらくその時の子供だと思う。
彼男「えっ!?えーーーーっ!????マジか!
私子のお腹の中に子供がいるんだよな、なんかすっげえ…
結婚式と子供が順番逆になっただけだよ。安心して生みな!!
どうしようすごい嬉しいな!」
はしゃいでいる彼男のことを、なんだかブラウン管の中の出来事のように見ていた。
あぁ今まで通りならこの先楽しい事がたくさん待っていたはずなのにと。
でも知ってしまったからには
しっかりさせなくちゃと頭がさえてきて、ようやく冷静になれた。
私子「彼男」
彼男「何?あー男の子かな女の子かな?」
私子「さっき浮美さんて人から電話あったよ」