最初はキレて話にならなかったけど、
「彼女のいない同僚の付き添いで行った」
と話し始め、なんと25万円以外にも借金があるとわかった。
その額なんと400万円。車は持ってないのに何で?と聞くと、
一人暮らしを始めたとき、両親が離婚、実家も売りに出され帰る場所もない。
寂しくて風俗やキャバに夢中になり、女の子たちに貢いだそうだ。
あまりにもぶっ飛んだ話にリアルにメダマドコー状態。
自分がいかに不幸で可哀想な人間かを切々と話す彼男、
もうすぐ付き合って1年だなぁ、と現実逃避する私子。
実は私子の両親も私子が10歳のときに、
父の莫大な借金・女癖の悪さが原因で離婚しており、
私子にとって借金は額に関係なくトラウマ。
しかし彼男は、肝心な携帯のことはのらりくらりかわし、浮気の証拠は掴めず。
私子は長期戦を覚悟し、彼男を泳がせることにした。
それから1ヶ月後、私子は彼男にもっと負債を抱えてもらうために、
家賃高めのマンションへと引っ越しさせる。彼男の給料の半分以上。
翌年のGW、彼男は携帯の機種変更をした。
古いほうの携帯は無造作に放られ、私子は彼男の居ぬ間に拝見。
ロックもなにもなく見放題。
出るわ出るわ、嬢子とのお熱いメール。
どうやら私子は彼男の『モトカノ』で『彼男宅に居座る迷惑女』らしい。
嬢子とのメールは普通に受信フォルダにあったけど、
私子専用フォルダの下にもう1つ、浮気子専用フォルダもあった。
そこでわかったのは、彼男は1ヶ月前の4月にも合コンパーティーに参加。
そして浮気子と意気投合し、GW前にはわざわざ遠方に住む浮気子に会いに行っていた。
嬢子とはまた別の繁華街で遊んでいたらしく、
どうりで私子とは近場しか出かけないわけだと納得。
携帯を見て1ヶ月我慢。もうすぐ彼男の誕生日。
その日にぶちまけて、最高の誕生日プレゼントにしてやろう。
と計画していた頃、彼男に別れ話をされてしまった。
「俺は借金あるけど、毎日しんどい思いして仕事してな、やっぱり楽しみは必要なんよ。
俺は本当は行きたくないけど、付き合いで風俗も行かなあかんし、
飲みも少なくとも週1回は絶対行きたいし。」
「でも私子はそれがイヤなんよな?だから距離置かへん?
2年くらい私子が地元帰って仕事探して、
で、2年経ったらまたこっち呼んだるから。」
「それか私子も男友達作ったら?
俺ばっかに依存するんじゃなくてさ。浮気してもええよ。」
私子ポカーン。開いた口が塞がらない。腸煮えくりかえった。
しかし必死に我慢し、別れたくないと縋り、従順な私子に気をよくした彼男。
正直屈辱的だったけど、もうすぐくるその日のためにプライドも捨てた。
さらに1ヶ月後。とうとうその日がきた。