どこでもドアが欲しかった

自宅警備をしていると泥棒が侵入!?絶体絶命のピンチに…

time 2016/12/04

自宅警備をしていると泥棒が侵入!?絶体絶命のピンチに…

部屋のチャイムが鳴った。

ほぼ鳴らしたのと同時くらいのタイミングで、 玄関の外から叫ぶような大きな声。

「こんにちはー、警察です、〇〇さんいらっしゃいますかー?」

やっと来た。 
なんかもう1時間くらい経ったような気がするけど、 たぶん実際には通報から10分弱くらいだと思う。 
それくらいの時間で来てくれるんだから、 なんだかんだで日本の警察は優秀なんだろうけど。

しかし俺は困ってしまった。 
何しろ玄関のカギは閉まっているけど、開けにいけない。 
「はい、居ますぅぅ~!! 助けて下さいぃぃ~~!!」 
とにかく大きな声で外に向かって叫んだ。 
と同時に、オッサンが観念したのかドアノブにかかる力が無くなった。

今ならカギを開けに行ける!と思った瞬間、 ガチャガチャと音がしてカギが開いた。 
警察すげー!!!

玄関のドアが開き、若手の警察官と40代後半くらいの警察官が入ってくる。 
玄関ドアの向こうから、マンションの管理人さんも顔を覗かせた。 
なるほど、カギを開けたのは管理人さんだったようだ。 
ちなみに残念ながらドミノピザの人は居なかった。

「通報がありましたが、どうされましたか?」 
ドアノブを抑えている俺を見て、ちょっと怪訝な顔で年上の警察官が聞いてくる。 
「泥棒をこの部屋にとじぇこめてます!」 
ちょっと噛みながら言ったった! 
「この中ですか!?」 
若手警察官がびっくりして聞き返してくる。

さすがにもう大丈夫だろうと思い、ドアノブから手を離す。 
指先がドス黒い赤紫になって、見た事もない色に変色していた。 
手のひらにもクッキリとドアノブの形の凹みがついている。 
ほんとに馬鹿みたいな力でドアノブを握っていたらしい。 
「中です、なかなか」 
俺が必死に伝えつつ警官に通路をあけると、 若い方の警官がドアをがちゃりと開けた。 
中では、さっきのオッサンが半笑いを浮かべながら立っていた。

「逮捕して」 
年上警察官がぼそっと呟いた。

若手警察官が腰のあたりから手錠を取り出して、 オッサンの手を掴んで手首にガチャリとかける。 
「11時32分、住居侵入罪の現行犯で逮捕する!」 
(↑うろ覚えだけど、確かこんな言い方だったと思う)

手錠をかけられても半笑いのオッサン。 
不思議とあんまり抵抗しなかった。 
この時なら何か、もみ合っても勝てる気がしたww

玄関の外から不安そうに中を覗いている管理人さんと目が合った。 
なんか大げさにウンウンと頷かれた。 
理由はよく分からなかったww

オッサンは灰色のリュックみたいのを持っていて、 その中から現金と母さんの宝石類とリビングに置いてた映画のDVDとかが出てきた。 
映画のDVDなんて取って売れるのかなww自分で見るのかなww 
若手警官に他に何も持ってないかチェックされた後、 オッサンは外に連れていかれてった。

ちなみに武器とかは持ってなかったみたいです。

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