二人には徹底的に制裁をすると決心したから。
まず嫁と間男の職場に行った。間男本人に会う為に。下手に上司に会いに行けば名誉毀損等面倒な事を言われかねないから。
でも間男はそのオフィスには居なかった。都内に二箇所デスクを持っているらしく、その日はそこには居なかった。
受付ではなかなか所在を教えてくれなかったが、ちょっと手を尽くせばすぐにもう一つのオフィスが分かった。
実際、嫁と浮気していた間はずっと都内の嫁と一緒のオフィスに居たようだが、最近は都下のオフィスの方にばかり行っているらしかった。
嫁が最近はあまり連絡はとっていないというのは本当の事だろう。
間男はアポなしの俺の訪問にかなり動揺していた。
単刀直入に聞いた。
お前は俺の嫁と一緒になる気はあるのか?と。お前にその気があるなら俺は離婚しても良いと。
間男の答えはこうだった。
不○関係もないし、間嫁と別れる気も無い。旦那さん(俺)達には夫婦関係を継続して欲しいと。
しつこいくらいに確認した。間男は何度も言った。離婚はしない、と。
間違いなく間男の本心だと思った。
勿論、全て録音。
間男には嫁には金輪際接触するなと言った。そうすれば全て水に流すと。
間男は二つ返事。安堵の表情が思いっきり顔に出ていた。馬鹿め。
その夜、例のファミレスに嫁を呼んだ。
俺がまだ嫁に気があると思っている嫁はすんなり約束の場所に現れた。表情も柔らかかったが、最初の俺の言葉で般若の面相に。
俺「今日間男に会ったよ。お前の事を頼もうかと思って」
嫁「なんで勝手にそんな事するの!」
俺「ごめんな、でも俺の為、そしてお前の為だと思ってさ。お前がまだ二十代の内にやり直しさせられればと思って」
嫁「そんな余計な事辞めてよ!」
俺「本当に余計な事だった、悪かった」
俺は下手に出て嫁の怒りが収まりかけたところで間男とのやり取りを聞かせた。みるみる内に青ざめる嫁。
俺「お前の為と思ってやったのにこんな結果になってしまって・・・・本当に悪かった」
明らかに動揺する嫁。
泣き真似しながら言った。
俺「結局俺たちだけが貧乏くじ引かされちまったよな。俺は男だからまだいいけど、お前のこれから考えると・・・・・・」