上司に相談以降彼の言葉は、全部録音済み。これも。
私はただ黙っていた。
びっくりしたのもあるけど。
彼の迅速な行動により翌日の昼、私の実家に皆集まることに。
これは私の提案。
店なんか行ける訳ないし、彼の実家にも行きたくないし。
当然両親には電話で怒られ、一先ず先に実家に帰っても、
そこでもやっぱり怒られた。
父は激情型で真面目な人。
怒鳴るだけ怒鳴って、彼の両親にどう謝るかを考えてた。
私の話は聞かなかった。
母は冷静で演技派な人。
だから母には、彼の方が浮気をしたんだと話した。
証拠も見せた。
それ以上は何も言わなかったが、母は察してくれていた。
話し合い当日。
最初から激怒の彼&彼両親&父。
彼の母が進行役となり始まった。
私の酷さを雄弁に語る彼。
慰謝料慰謝料!と叫ぶ彼家。
どんどんますます冷めた。
父が彼両親に頭を下げまくる中、母が彼に、
「どういった経緯で発覚されたんでしょうか?」
とさも申し訳なさそうに、辛そうに聞いた。
彼は私の携帯を奪い、
「このメールです!!」
と自信たっぷりに言った。
だけど、父ポカン。
彼の両親も、え?これ?な様子。
思ってたような反応が得られず、慌てて説明を始める彼。
「今日はありがとう。」はエッチのことだ!
「初めての場所」はもちろん新しいホテル!
「おいしかったよ。」はやっぱりエッチの話だ!
「いつでも話においで。
力になるから。」
はスルーして頑張る彼。
私がここでやっと「呑んだだけ」と言うも、
彼「じゃあ証拠は!?
証明してみろよ!!」
証拠ならあんたのもあるよと思いつつ、私は電話した。
とすぐに、その場に突如とあらわれる私の上司。
午後から早退してわざわざ来てくれて、外で待ってたくれてた。
上司を見た途端に、あ!ってなった彼の父。上司が取引先だったようで。
気まずそうにする彼の父をスルーして、話しだす上司。
元々浮気だとかしてないから、上司の発言はぶれない揺らがない。
さすがに彼の両親も私の父も、上司の話ぶりに納得しだした。
彼の両親は「誤解は誤解、さっぱり水に流しましょう。
もとは○○(私)さんの態度が原因だったんだし、彼も愛故よ」
ってスタンス。切り替え早い。
一人、デモデモダッテの彼。
そのうじうじさがうざくて、そこから私の反撃ターン。
私「愛故じゃなくて浮気してるが故の発想だったんだよね」
ピタッと止まりみるみるうちに青ざめていく彼。ポカンな彼両親。
もうめんどくさかったので、すかさず彼の証拠を提示。
ホテルに入る写真、出てくる写真。路上でのチュー写真、車内での写真。
指を絡めて手を繋ぐ写真、女の胸を揉んでる写真(着衣状態)。
彼「あるばぁぁああーーーー!!!?」
奇声を発し、これは俺じゃない!違うんだ!偽物だ!お前への愛しかない!
違うんだ!話を聞いてくれ!お前が浮気するのが悪い!いや誰も悪くない!
誰も悪くない!夫婦とは高め合うものだ!偽物に惑わされるな!陰謀だ!
ととにかくうるさい彼。彼両親はまじまじと証拠を見て項垂れてた。
「新しいお話に移りましょうか。」と、今度は母が進行役になった。
私の父は大爆発で、彼にビンタ。ビンタ。ビンタ。ビンタ。
彼「いたっ!痛いよぉー!
なんで止めないんだよぉーっ!
お前の親だろぉ!?俺を好きなんだろ!?
許すし愛してやるから止めさせろよぉーっっ!」
死ぬほどうざかったのでシカト。
彼両親に婚約破棄するのは私側で、責任は彼にあり、慰謝料も請求すると説明。
「ちょっと勘違いしただけなのに、こんな話の運びひどい!騙したでしょ!?」
と彼の母も意味わからないことを言い出したので、とりあえず黙らそうと、
録音していた彼の「クソ肉便器!!」も含め全て聞かせたら、黙るどころか泣いた。
これを聞いてまた父が彼に今度はゲンコツ。ゲンコツ。ゲンコツ。ビンタ。
彼「違うんだってば!なんで話聞かないの!?意味わかんない!」
私「…なに?」
彼「まじ違うから!700%誤解だから!まじ付き合ってないから!」
私「あぁ、私とあんたがね」
彼「だから違うっつってんじゃん!なにそんな言い方する訳!?だからぁぁあ!」
私「なんなの?」
彼「あいつがまじしつこいんだって!胸無理矢理押し付けてくんの!
俺まじで嫌だったんだって!据え膳食わなかったって!だからまじ誤解!」
私「じゃあ会社に相談する?逆セクハラで」
彼「……。なんでそう誰かを不幸にしなきゃいけない訳!?
皆幸せになりたいんだよ!?だから結婚して世界一幸せになろう!?な!?な!?」
必死さがきもい彼と、泣く彼の母と項垂れる彼の父と、怒ってる私の父。
冷めた目で彼家、特に彼ををみる残りの私、母、上司。
私がゆっくり「そうだね」と言うと、彼はニヤッとした。だからすかさず、
「世界一幸せになるために別れて、そのための資金頂くね」
と言ったらまた叫びだした。
彼「うの゛ぉぉおおん!俺はお前だけなのに!愛してるのに!お前は違うんだ!?
なんでそんな冷たいこと言うの!?まじでなんで!?俺好きでしょ!?」
彼の父「いい加減にしろ!」ドカッ!※注 ケリ。
まさにもうガクブルな彼。ほんっときもかった。体育座りでびくついてた。
上司「浮気する人って、どこかしら相手を見下してるんだよなぁ…。
なんとかなると思ってる。
君(彼)、地面にこぼれ落ちた砂糖をまたもう一度使えるか?
君は自分の手でばらまいたんだ」
彼号泣。彼の父男泣き。彼の母も号泣。彼の父が慰謝料を払うと約束。
彼の父から800万払うと言われ、そんなにもらえないと言おうとしたら、
彼「そんなに払うことないって!」
と彼に言われたため、有り難く800万丸々受けとることに。
条件もつけた。400×2で払うこと。今後一切関わらないこと。
最後の最後まで「結婚しゅたいんだぁぁああーー!!」とうるさかったので、
「アインシュタインだ~」と言ったらポカンとして帰っていった。
その後、家族+上司で食事に行きツヤツヤした笑顔で帰宅。これが5月の終わり。
ちゃんと入金もありました。彼が悪寒メールをくれますがスルーしています。
わざわざ毎回アドレスを変えてまで送ってくれます。