Y子はニヤリと笑った。
えっ?となった私を他所に、Y子は涙を拭い泣き声(くすん…)はそのままにニヤリと私を見てきた。
「…なんなの?」と言うと、ニヤニヤしたまま「ごめんなさい先輩ぃ」と泣き声。
表情と声が全く一致していなくてびっくりだった。というか不気味だった。
「なに笑ってんの?」と言うも「笑ってなんかないですぅぅ」とY子。
私「馬鹿にしてるの?」
Y子「してないですぅぅひっく」(ニヤリ顔)
私「やめてよその顔!」
Y子「ひどい…えぐえぐ」(ニヤニヤ)
私「だからY子!なに考えてんのよ!」
Y子「先輩こわぁい…くすんくすん」(ニヤリ)
そんなだったから私はイライラしてしまい、けっこう怒鳴ってしまった。
けどY子は怯みもせず、ニヤニヤのまま「くすんくすん」と泣く。
イライラしてたけどなぜか冷静に頭が働いて、本当はY子は私とA太のことを知ってたんじゃないかと思った。
「Y子、知ってたの?私達のこと」と聞くと、プッと笑うような表情をして、
「知らなかったんですぅ~ごめんなさい~」と泣き声。
知ってたんだ!とびっくりもしたけど、ニヤニヤしてるY子が不気味で、
なんだかだんだん怖くなってきた。そのせいで声を荒げてしまった。
それにも臆することなくニヤニヤなY子。が、A太が戻って来た瞬間泣き顔。
「ひっく…先輩こわぁい…」とA太に泣きつくY子。
「お前…ちょっとY子に酷すぎない?」と苛立つA太。
私は怒りで頭爆発しそうでした。が、頑張って説明してもA太には通じない。
録音聞かせても、Y子の泣き声は聞こえても表情まではわからない。
結局、A太にネチネチ言われY子はまたA太の腕の中でニヤニヤ。
私がカラオケを飛び出しました。
A太とはそれきり連絡も取ってません。
会社ではY子は新人やデレデレした男たちを味方につけてます。
私はベテラン勢を味方につけました。
痴話喧嘩が発端ではクビだとかはできませんが、せめて仕事では負けないように頑張ってます。