やべーなーとか思いながらも、一応彼女に電話を代わってもらい、今回の顛末について話していいかを尋ねると、若干取り乱しながら拒否。
その様子が父親にはまた俺が何か言葉で暴力を振るったように見えたらしく、父親から、すぐに来いと怒鳴られ一方的に電話を切られた。
とりあえず彼女は言って欲しくないようなので、ひたすら謝り続けるかなーっと考えらながら彼女の実家へ。
到着すると彼女のお出迎え。リビングに通されると、幾ばくか冷静さを取り戻している父親と、とりあえずいるだけみたいな母親がテーブルの向こう側に座っていた。
俺の隣に彼女、向かいに両親と座り話し合いが始まる。
とりあえずは一方的に父親の言葉に謝り倒していたが、話していくうちにひたすら謝る俺に対して、段々とヒートアップしてきた父親が俺が片親であることを引き合いに出して育ちが悪いとのたまい、別れるように言い出した。
こちらも親の事を言われて、流石にカチンときて、もう既に泣いている彼女を尻目に、浮気された事実、その結果そのようなことを要求している事、加えて一切の暴力などは振るっていないことを、許した上できつくあったてしまったことに関しては男らしくない事であることはわかっている事を踏まえつつ説明した。
すると今までヒートアップしていた父親は一気に冷静になり、彼女に確認を取る。
彼女も力なく頷いたので、父親は肩の力が抜けるように項垂れた。
一瞬の沈黙の後、父親はれ「血は争えないな」と母親の方を見る。
母親は我関せずを突き通していたのだが、どう見てもうろたえていて様子がおかしい。
俺はこれでとりあえず丸く収まると思っていたので、少し焦り始める。
すると、それまで項垂れていた父が少しずつ語り始めた。
要約すると
彼女は母親が浮気して出来た子。父親がそれを知ったのは彼女が3、4歳まで育った時。最初は離婚も考えたが、どうにも血の繋がっていない間男の子供であるが情が移ってしまい、この子の事を可愛がる事も嫁へのあてつけになるのではと考え離婚はしなかったそう。
その結果、父親はかなりの愛情を注いで彼女を育て上げ、今では本当の親子のように思っている。
その一方で、間男との不倫の末できた子を可愛がる旦那を見ていた母親の方は、不倫発覚するとすぐに手切れ金を渡されて逃げられた間男の血が繋がっている彼女のことを愛せなくなったそうだ。
そんな話を、夫婦の言い合いと怒鳴り声から呆然としながら聞き取っていた俺と彼女。
俺はもう家族間の話だからなーっと少し冷めた感じになり始めていたけど、彼女の方はもう急にそんなこと言われて自失状態。
泣くことすら出来ないようなので、とりあえず、怒鳴り合いが終わったところで連れて帰りますと、言って彼女と二人で俺の家に帰ってきて、3日たったんだけど彼女が全然笑わない。
割りと平凡な人生生きてきたから、どうしたらいいかわからん。